平成27年11月26日、第4回定例会にて一般質問を行いました。
主な質問項目p>
- ふるさと納税による区の魅力発信
- 本庁舎整備に係る区の支出抑制を
- 町会・自治会加入促進条例にかわる全地縁団体参加型地域住民協議会
- 高齢者の移住促進について区の考えは
- 小中学校以外での義務教育容認の法改正
- 文化財団行政指導への区の責任は
詳細は以下をご覧ください。
ふるさと納税による区の魅力発信
東京都は、国の地方法人課税の不都合な偏在是正措置により、これまで一兆三千億円もの財源を失っておりますけれども、さらに国は税制改正大綱や骨太の方針にこうした措置の維持拡大を明記しています。消費税率一〇%導入時にこの措置の拡大が断行されれば、都の減収額は年間三千億円から五千八百億円程度に膨らみ、特別区の影響額は一千億円、うち世田谷区の影響額も現在の四十七億円から約八十億円にまで拡大すると危惧されます。
また、総務省は、十月二十三日、ふるさと納税の今年度上半期の寄附額が前年度比約四倍の約四百五十四億円に上ったことを発表いたしました。通年換算ではその二倍、約九百億円から一千億円になるものと予測できます。つまり、世田谷区のふるさと納税による税収の流出も四倍の約十一億円程度になるのではないかと危惧されます。
そこでまず、ふるさと納税についてですが、区は本年度のふるさと納税の影響額をどの程度になると見込んでいるのか伺います。また、三定で私のふるさと納税に関する質問に対し、寄附文化の醸成をしていきたいとの回答でありましたけれども、どのような取り組みを行っているのか、平成二十七年度にどのような効果が出ているのかお答えください。
全国の自治体は、このような状況に危機感を持ち、さまざまな手法で寄附の受け入れをふやそうとしております。これは、単なる返礼品競争ではなく、各自治体の魅力をアピールするシティセールスの競争でもあります。区は、国の方向性を都市部から地方への税配分とのみ解釈し、にわかに競争には参加できないとの説明をしてきておりますけれども、シティセールスという点では、世田谷区のさまざまな魅力的なコンテンツがあります。例えば美術館や花火大会、世田谷ハーフマラソン大会にかかわる返礼品の検討などは、世田谷区の魅力をアピールすることにもなります。また、現在休止している「世田谷みやげ」のインターネット販売を、ふるさと納税の返礼品の仕組みを利用することで再活性化の検討ができないかと考えますが、区の見解を伺います。
<本橋 財務部長>
私からは、国のふるさと納税の動向を踏まえた区の影響額について御答弁をいたします。
総務省が十月二十三日に公表いたしましたふるさと納税に関する現況調査結果についてによりますと、平成二十七年四月から九月の上半期分のふるさと納税受入額は四百五十三億五千五百万円、対前年同期比では三・九倍とのことでございます。平成二十七年度の通年の受入額をこの約二倍と見ますと九百七億一千万円と見込まれ、平成二十六年度の実績が三百八十九億二千万円であったことから、対前年度比は二・三倍と見込まれるところでございます。
区のふるさと納税による影響額につきましては、平成二十七年度実績が二億六千万円でございましたので、これを当てはめますと約六億円前後と見込まれるところでございます。また、九月の関東東北豪雨による被災自治体への義援金も考慮しますと、増額傾向にあるものと認識しております。
以上でございます。
<板谷 政策経営部長>
私からは、ふるさと納税に関し、二点お答えをいたします。
初めに、返礼品の検討についてでございます。各自治体ではふるさと納税制度を活用して、地元特産品などをお礼として送付することで地域活性化やシティセールスの機会とする取り組みが行われており、全国的にも制度の活用が進んできております。新実施計画では寄附文化の醸成を掲げておりますが、区といたしましては、ふるさと納税の活用も含め、物や土地を含む寄附として広範の取り組みを推進していくものと考えております。
お話しのように返礼品競争としてではなく、世田谷美術館のチケット等を活用するなど、当区ならではの取り組みが寄附を働きかける機会にもなるとともに、本区のアピールとなることから必要であると認識をしており、現在、庁内でその検討を進めているところでございます。
次に、国は税制改正とふるさと納税の方針を容易に変えるとは思えない中、区は持続的発展をしていくためにはどのような戦略を描いていくのかとお尋ねがございました。
御指摘のふるさと納税に伴う特例控除や法人住民税の一部国税化など不合理な偏在是正措置に対しまして、特別区長会を通じ、国の責任において必要な財政処置を講ずるよう主張しておるところでございます。一方、子どもの人口増加に伴う保育待機児対策や子育て支援事業の充実、高齢化社会の一層の進展による高齢介護需要など、今後も行政需要がふえていく中、限られた財源での政策展開が求められております。
区といたしましては、持続可能な自治体経営を実現するため、行財政経営改革はもとより、さらなる知恵を凝らしていく必要があると考えております。
以上でございます。
それでは、再質問させていただきますけれども、ふるさと納税に関しては何度となく質問させていただいておりますけれども、区長、今回、ふるさと納税に関する御回答をいただいている中で、どうも余り積極的ではないのかなというふうに感じてしまうんですね。シティセールスという視点でも、世田谷のアピールをしていくにはいい機会だと思うんですが、そのコンテンツがないというふうにお感じになっているのかどうか、区長のお考えを伺っておきたいと思います。
<保坂 区長>
再質問にお答えします。
税源の確保という点で御指摘のような影響が出てくる予想が現実にあるわけですから、これは関心がないということではありません。
区としてこれまで寄附文化の醸成を掲げてきました。ふるさと納税はもちろんのこと、世田谷区に寄附文化を根づかせるということで、これは相まって区の魅力等をアピールできないかと考えているところです。
このために、世田谷区、子どもであるとか福祉であるとか、さまざま基金、みどりの基金などを持っております。こういった寄附もこれまでも相当いただいてきているわけですけれども、寄附についてのPRの充実を徹底するとともに、寄附をしたいと思った方にとってわかりやすい受付体制の工夫、これは例えばふるさと納税として受け取ることができるんですよということもしっかりお示しすることも含めてですが、また、お話がありましたように、世田谷美術館など、例えばチケットなど、これは返礼品の価格でいえばその競争にはならないわけですけれども、区のある種特性として示すという意味で意味があると思いますし、また、寄附をされた、例えばその子どもや福祉へと寄附をされた区民の方に、その寄附を使って活動している団体や現場から活動報告、あるいはお礼の手紙、あるいは障害者施設でつくられた製品などをお送りするというようなことも、寄附者に対する謝意を通して、区のさまざまな福祉政策や区民団体の活動、福祉の現場の活動も含めて知っていただく契機になるのではないかということで、関係所管に制度設計も含めた検討を指示しているところです。
本庁舎整備に係る区の支出抑制を
さて、国の税制改正とふるさと納税とを合わせた世田谷区への影響額は約九十億円、すぐに百億円に達するほどの勢いであります。こうした国の措置に対する都並びに世田谷区の反論や制度上の問題点の指摘も否定はしませんけれども、庁舎建てかえ基金は百十億円で、毎年それに匹敵する額の減収が予想される中で、新庁舎建設に三百億円を超える支出を気前よく検討するほど余裕はないはずです。
そこで、本庁舎建てかえについてですが、建てかえに当たっては、渋谷区や豊島区のように区財政からの支出を極力抑えた等価交換や定期借地権などといった手法や、区の開発理念をもとに、民間にさまざまな提案をさせるなど、全ての可能性を排除しない検討が必要です。透明で無理、無駄のないしっかりとした検討をしてもらいたいと思います。区の見解を求めます。
また、渋谷区での定期借地権契約は七十七年ということや、新庁舎の耐用年数、減価償却期間等を勘案すれば、七十数年後までを見越した庁舎のあり方も求められます。近い将来、国が進めるeガバメントやマイナンバー制の普及は、インターネットを通じて、自宅にいながら、もしくはどこにいても、役所に来ることはなく、あらゆる行政サービスや情報を受け取る仕組みの構築を目指すことから、今まで役所に来てもらって提供していた行政サービスのあり方を根本から変える必要があります。役所の窓口業務の縮小で余剰となる職員を、今まではなかなかできなかった地域に出向き、直接区民へのサービス提供に振り向けるなど、よりきめ細やかな対応も可能になると予想されます。つまり、庁舎の規模やあり方そのものも再検討の必要がありますが、こうした将来予測は本庁舎建てかえ計画においても重要な要素であります。あわせて区の見解を伺います。
いずれにいたしましても、国が現在示している税制改正とふるさと納税の方針をたやすく変更するとは思えません。世田谷区が少子・高齢化に対応するため、今後さらに増大する財政需要に応えながら持続的発展をしていくためには、全てのステークホルダーが現状に真剣に向き合うことはもちろん、どのような戦略を描いていくのか、自治体としての経営能力の真価が問われています。この点についても見解を伺っておきたいと思います。
<岡田 総務部長>
私からは、まずふるさと納税に関連しまして、寄附文化の醸成に向けた二十七年度の取り組みについて御答弁申し上げます。
区では、寄附文化の醸成を新実施計画に掲げ、寄附制度を普及し、相互の支えあいが循環する仕組みを構築することとしております。今年度は、「せたがや便利帳」を活用し寄附のPRを開始したほか、ふるさと納税制度や区の寄附制度をよりわかりやすく一括してまとめたリーフレットを作成し、区内約二百カ所で配布を始めました。また、寄附をテーマとした職員提案を受けるなど、寄附の使い道が見えやすく、寄附者の意思を尊重できる取り組みを行っているところでございます。
こうした取り組みを重ねることで、寄附文化が多くの方々に根づき、その善意の輪を大きくすることが重要であると考えており、引き続き関係所管と連携して、一層のPRの強化に努めてまいります。
次に、本庁舎の整備に関連しまして、民間活力の導入に関しての御質問に御答弁申し上げます。
民間活力の活用については、先般、中間報告した公共施設等総合管理計画の基本方針におきまして基本方針の一つとして定めており、本庁舎等整備におきましても、この方針に基づき検討を進めるべきものと認識しております。これまでも民間活力の導入につきましては、本庁舎等整備に係る事業手法等の検討の中で、本事業へ適用した場合の総事業費の抑制効果、民間事業者の技術力の活用、事業スケジュールへの影響などの観点から検討してまいりました。
世田谷区の本庁舎の場合、土地の高度利用が図れる都心の池袋や渋谷などのようにポテンシャルが高い場所と異なり、住宅地の中に立地している特性なども踏まえ、引き続き他の先進事例を注視しつつ、民間活力の導入についてさまざまな可能性を検討してまいります。
次に、同じく本庁舎に関連しまして、マイナンバーなど将来を見越した本庁舎の規模やあり方についての御質問にお答え申し上げます。
御指摘のマイナンバー制度の導入による行政サービスのあり方の変化などにつきましては、本庁舎等整備に関する規模等の検討において踏まえておかなければならない課題であると認識しております。本庁舎等の規模につきましては、現時点では国の旧地方債事業費算定基準に基づき、正規職員数から算出し、最低四万五千平米としておりますが、今後、地域行政制度の進展、マイナンバー制度の導入の状況や、これによる将来予想も踏まえ、担当所管と連携し、規模への影響を検討してまいります。
こうした要因のほか、非常勤職員の執務スペース、災害対策本部や区民利用スペース、世田谷総合支所移転の検討状況及び移転後に本庁舎に必要となる窓口機能、地方分権改革による国や都からの事務移管なども考慮しながら、基本構想素案では本庁舎等の規模についてより精査をしてまいりたいと考えております。
以上でございます。
町会・自治会加入促進条例にかわる全地縁団体参加型地域住民協議会
次に、町会・自治会加入促進条例にかわる全地縁団体参加型地域住民協議会という視点についてでありますけれども、朝日新聞の町会・自治会に関する特集記事の連載で、世田谷区の町会・自治会加入促進条例が住民の反対で頓挫と大きな見出しで報じられました。また同じ条例を出し直せるとは誰も思いません。任意団体ゆえに、町会・自治会にもさまざまな課題があります。
今までもこれからも地域で最も中心的で信頼の置ける地縁団体であることに変わりはありませんが、地域の地縁団体にはさまざまなものが存在しており、それぞれが互いに補い合いながら、地域住民の意見を酌み上げたりまとめたりといったことにより、住民自治を実現する組織が必要です。そうした役割を、自治体によっては地域住民協議会を設置して担わせているところがありますが、世田谷区も、区の基本構想や、区長の言う地域住民運営型公共サービスを具現化していくためにも、行政主導で五支所ごとに地域住民協議会を立ち上げてはどうかと考えますが、区の見解を求めます。
<萩原 地域行政部長>
私からは、地域住民協議会に係るお尋ねにお答えいたします。
区ではこの間、区民の暮らしを支えるコミュニティーの形成を念頭に地区の強化に取り組んできており、そのかなめとなる町会・自治会は、地域における課題の解決やコミュニティーの形成に大きな力を発揮されていると認識しております。また、その他の地縁団体、NPO、事業者などが主体的に地域課題の解決に向け、いわゆる公共的サービスなどの担い手として活動を広げてきており、多様な区民が地域づくりにかかわる土壌が醸成されてまいりました。
しかし、地域では町会・自治会役員の高齢化や担い手の不足といった課題もございます。区では平成二十五年四月より、地域の課題を効果的に解決するため、町会・自治会や地区での活動団体等を中心に、より幅広く総合的な情報交換の場として地区情報連絡会を開催するなど、地区レベルを中心に、各団体間の連携強化に取り組んでいるところでございます。
地域住民協議会の先進例のお話がございましたが、区は今後とも地域行政の推進に当たっては、基本構想にありますとおり、自治の担い手である区民が区政に参加できる機会を多く設け、広く区民や団体がお互いに協力して、主体的に地域、地区の課題解決にかかわれるよう支援に努めてまいります。
以上でございます。
高齢者の移住促進について区の考えは
次に、高齢者の移住促進という視点で伺います。
田中良杉並区長は、南伊豆への特養整備に際し、都市部の急速な高齢化は深刻な問題で、圏域外の特養整備はこの問題に一石を投じるものであり、また、都市部と地方の双方にプラスになる自治体間連携の先駆的モデルとしても大きな意義ある取り組みだとして、また、それに加えて、東京都の繁栄は地方からの人口流入で支えられており、地方が枯渇して東京だけが発展することはあり得ないとコメントしております。
舛添東京都知事は、東京と地方がゼロサムゲームでゲーム的に争うのではなく、プラスサム、すなわちウイン・ウインの関係を築くことができるよう力を尽くしたいと述べております。また、政府の内閣広報室は移住ナビというサイトを開設し、その中で、安倍総理が動画で自分に合った地方の移住先を見つけましょうと都市生活者に呼びかけております。さらに総務省も移住・交流情報ガーデンの案内を中央区京橋に開設し、情報提供を開始しています。
このような動きに対して、高齢者ばかりとは限りませんが、移住や自治体間交流に関し、区長はどのような考えをお持ちか、伺います。
<保坂 区長>
田中杉並区長のお考えの紹介もあり、杉並区のほうで全国余り例のない提案をこの間されて、南伊豆町のほうとの連携が始まっているということは、大きく問題提起をされたものだというふうに受けとめております。世田谷区に対しても、全国のそれぞれの市町村から、この高齢者の移住促進などについて、それ以外のことも含めて御提案をいただいたり訪問されたりしております。
十一月七日に開催しました世田谷区と交流自治体との首長会談におきましても、エネルギー、観光、雇用、災害対策のほか、元気な高齢者の移住促進についても交流自治体側からお話が上がり、活発な議論が交わされたところであります。
この高齢者の移住促進については、将来見込まれてくる高齢者人口の増加への対策として考えるのではなく、やはり住みなれたところでいつまでも安心して暮らせるというコンセプトがありますので、あくまでも本人がお望みになる、そういったケースを前提として、自治体間連携、住民同士の交流をより深めることにつながっていく取り組みであれば、それは若い世代の雇用の場をつくり、住居を用意しという提案もありましたので、地方での生活を希望する区民の選択肢が広がるということでは意味があることだというふうに考えております。
小中学校以外での義務教育容認の法改正
次に、国で検討されている小中学校以外での義務教育容認の法改正についてです。
この法改正が成立すれば歴史的な転換になると思いますが、義務教育の現場を抱える区として考える学校以外での義務教育の現状と容認に向けた課題は何か、伺います。
<進藤 教育政策部長>
私からは、学校以外での義務教育について御答弁申し上げます。
報道によりますと、超党派の議員連盟が不登校の子どもの学習支援を目的とした、義務教育の段階に相当する普通教育の機会の確保に関する法律案を来年の通常国会に提出する予定とのことでございます。不登校については、全国的な傾向と同様に、区においても増加傾向にあり、重要な教育課題と認識しており、第二次世田谷区教育ビジョン第一期行動計画に基づき対応の充実に努めているところでございます。
法案では、不登校の子どもが学校に在籍するなど一定の条件を満たせば、フリースクールや家庭など学校外での教育を受けることにより、義務教育修了を認めるという内容となっております。この仕組みでは、子どもや保護者と在籍校とのかかわり、保護者の負担やこの制度を支える学校、教育委員会の体制等についての検討が必要とされており、区としても課題であると考えております。
議員御指摘のとおり、法案が成立すれば、義務教育を学校現場に限った教育制度の大きな転換となりますので、教育委員会としては、法案の動向を踏まえ、今後とも一人一人の児童生徒に着目した不登校の対応をしてまいります。
以上でございます。
文化財団行政指導への区の責任は
最後に、せたがや文化財団への労働基準監督署からの指導勧告についてですが、既に一年半前の二十六年第一回定例会で、ブラック企業よりもブラックだと、財団の個人委託契約における雇用契約や勤務実態への疑念について質問し、生活文化部は規程の改定等に取り組み改善するとの答弁でありました。
今般の指導勧告という状況には疑惑が確信に変わりました。私に問題を指摘され、外見上規程の改定などを装っても、実態として運用面が改善されていなかったことは明白です。また、直近でも、公正取引委員会から法律違反の指摘を受けるなど、財団の体質と自浄作用の欠如と、それをまるで実態の隠蔽に加担するかのように放置し見逃してきた区の担当部はもちろん、世田谷区は厳しくその責任を追及されるべきと考えますが、いかがでしょうか、区長の見解を伺います。
また、財団の事業運営については監査対象でもあります。今般の法令違反への対応、状況の把握と認識、さらには今後、外郭団体等各事業体のコンプライアンスの確保をいかに指導徹底していくのか、区の見解を伺い、壇上からの質問を終わります。
<保坂 区長>
せたがや文化財団は、御指摘のとおり、本年七月、公正取引委員会より指導を受けました。さらに、十月に渋谷労働基準監督署より是正勧告書及び指導票が手渡され、そしてその内容についても大変重く受けとめているところであります。
区といたしましても、個人業務委託のあり方の問題も含め、この間の財団への指導徹底が十分でなかったということについて深く反省しているところであります。この間の公正取引委員会及び労働基準監督署からの指導並びに指摘を受けて、財団においては、法に対する認識の不足、あるいは適正な労務管理が不十分であったことなど、基本的な部分でのさまざまな体制や認識が欠如していたというふうに考えております。
公正取引委員会の指導については、差額分の支払い、契約変更等を行うなど、適正化に現在努めているところと報告を受けております。また、労働基準監督署の指摘については、現在、財団において早急に実態も含めて確認し、是正の実施について報告を受けるとともに、再発防止についてもこれを徹底させ、指導等について、この内容についても労基署からの改善の指示を受けていますので、この期限もあるということなので、これは具体的な対応を徹底させていきたいというふうに考えています。
いずれにしても、このせたがや文化財団において再発防止策を講じるとともに、これまでの組織体制、あるいは運営の習慣も含めて改革を行い、信頼回復に努めることが、区としても重要であると認識しております。
<髙木 監査事務局長>
私からは、せたがや文化財団を含む財政援助団体に関する監査について御答弁を申し上げます。
財政援助団体等に対する監査につきましては、地方自治法第百九十九条第一項、第五項及び第七項に基づき行っております。このうち外郭団体につきましては、監査実施計画に基づき一年置きに行っており、せたがや文化財団については昨年度実施したところでございます。
昨年度の監査におきましては、区から支出された公金等が所期の目的どおり適正に執行、運用されているかの観点から行っており、議員御指摘の財団の就業形態のあり方については、財団において検討、改善しているものと認識をしておりました。財団の運営に当たっては、財団が社会的活動を行っている以上、関係法令を遵守しなければならないことは当然のことでございます。
今回の件を踏まえ、監査事務局といたしましても、外郭団体等の運営がコンプライアンスの面からも適正に行われるよう、今後も留意をしてまいります。
以上でございます。
それぞれ御回答いただきましてありがとうございました。これで質問を終わります。