令和2年7月1日(水) 午後3時
1.報告事項
(1)令和2年度世田谷区総合教育会議・世田谷教育推進会議の実施について
(2)世田谷区子どもの人権擁護機関「せたがやホッと子どもサポート」の令和元年度活動報告について
(3)令和3年度 指定校変更の制限について
(4)損害賠償請求事件について
(5)自動車事故の発生について
(6)新型コロナウイルス感染症対策に伴う新BOP学童クラブの実施時間延長モデル事業等への影響について
(7)令和元年度指定管理施設に係る事業報告について(文教常任委員会所管分)
(8)新型コロナウイルス感染症対策等を踏まえた世田谷区立図書館運営体制のあり方検討の進め方について
(9)その他
2.資料配付
(1)世田谷のとしょかん
3.協議事項
(1)次回委員会の開催について
平塚敬二 委員長
続きまして、(2)世田谷区子どもの人権擁護機関「せたがやホッと子どもサポート」の令和元年度活動報告について、理事者の説明をお願いします。
會田 教育総務課長
世田谷区子どもの人権擁護機関「せたがやホッと子どもサポート」の令和元年度活動報告について、御説明をさせていただきます。
なお、本件は福祉保健常任委員会との併せ報告でございます。
1の主旨でございます。世田谷区子どもの人権擁護機関による令和元年度の活動報告書が取りまとめられ、このたび区に提出されたことから、御報告させていただくものです。
2の報告の主な内容でございますが、資料の後ろのほう、緑の表紙をつけさせていただいております報告書に沿いながら御説明をさせていただきます。報告書の構成でございますが、報告書の二ページから四ページまでが、世田谷区子どもの人権擁護委員の概要説明となっております。
報告書の六ページからが令和元年度の活動状況となりますが、六ページの最初の部分が相談件数の年度ごとの推移になります。令和元年度の新規相談件数は二百七十二件ということで、昨年度より減っているという状況です。
次に、八ページをお開きください。ここからは相談状況の詳細と前年度との比較となります。①の相談内容を御覧ください。内容ごとに件数と割合が表になっております。報告しているかがみでは、2の(2)に件数の多い順に主なものを記載しておりますが、こちらは昨年度と同様、対人関係の悩みが一番多く、全体の二七・九%、次いで学校・教職員等の対応やいじめが多くなっております。
次に、八ページの下の部分から九ページにかけてが初回の相談者の分類になります。子ども本人からの相談が全体の六割を占めております。また、報告書九ページの中ほど、③の初回の相談方法を御覧ください。初回の相談方法は、子ども、大人ともに電話が一番多くなっており、合計の数字では八割を超えております。次いでメール、面接、手紙というふうになってございます。
一〇ページから一四ページにかけては、相談の対象者ごとの分類や、せたホッとの委員、専門員の活動状況が記載されているところです。
一五ページを御覧いただけますでしょうか。子ども条例の十九条に基づく申立て及び相談方法と内容の分析となりますが、昨年度、申立てはございませんでした。二十条一項に基づき、申立てによらない調査が一件ございましたが、こちらは民間活動団体関連と聞いておりまして、教育委員会とは直接関係のない案件というふうに聞いております。
また、以下、報告書の一八ページから二七ページまでが相談事例の紹介と関係機関との連携、そして、三〇ページ以降が広報・啓発活動の内容、また、関係資料といった構成になってございます。
かがみ文にお戻りいただきまして、裏面の3その他についてです。毎年、この七月の時期に宮坂の子ども・子育て総合センターで活動報告会を実施しておりましたが、本年度は新型コロナウイルス感染症予防の観点から、中止ということにさせていただきます。なお、活動報告書につきましては、区のホームページ等で公開いたします。
今後も、学校の臨時休業や分散登校といったふだんとは異なる状況に置かれる子どもたちが安心して過ごしていけるよう、子どもの人権擁護機関として関係機関との連携を一層深めてまいります。
御説明は以上です。
平塚敬二 委員長
ただいまの説明に対し御質疑がありましたら、どうぞ。
あべ力也 委員
先ほど、ほかの委員からもお話があったせたホッとの広報用のカードがあります。わざわざ広報用のカードを作るということも、公立の区立小中とかに行っていない方向けのものもあると思うので、全てがノーというわけではないんですけれども、例えば、区立の中学校なんかの場合には、全校、多分生徒手帳がありますよね。広報カードと同じような情報内容を初めから生徒手帳の中に入れておくとかというようなことは、私はできると思うんですけれども、そういう検討はしたことはないんですか。どうですか。
池田 教育政策部長
検討させていただきたいと思います。生徒手帳に加えて広報のチラシを配ったほうがいいのか、生徒手帳に記載することで、もうチラシを配らなくていいのかなどについて、所管である子ども・若者部とも意見交換をしてまいりたいと思います。
あべ力也 委員
小学校は生徒手帳はないでしょうから、中学生の場合には全校、生徒手帳というのがありますので、わざわざパンフレットを作って各生徒に配付をするというよりは、もう既にこの制度自体も定着をしているということであれば、生徒手帳の中に同じ情報を全生徒に持っていただくということを検討していただきたい。
それとあと、世田谷区の小中学生というのは何も世田谷区立の小中学校に通っている子どもさんばかりではありませんので、そういう私立校に通っていらっしゃる児童生徒の皆さんに対してはどうするのかという課題が残ります。その点については、今までと同じような広報用のカードをどういう方法で配付するのかは、いろんな学校に行っていらっしゃる方が私立学校の場合にはおりますので、その辺は区のほうで検討していただいて工夫していただきたいと思います。少なくとも区立の中学校の場合には皆さんが生徒手帳をお持ちですので、そこに情報を記載されれば、わざわざまた印刷をする必要もないでしょうし、全生徒にお持ちいただくことが可能になると思いますので、ぜひ検討していただきたいと要望しておきます。
先ほど部長が答えられたのは、印刷するか、それとも生徒手帳にするかというようなことを検討するということですけれども、少なくとも区立の中学校に関しては可能なことだと思いますので、ぜひ実施していただきたいと思いますけれども、もう一回、お答えいただければ。
池田 教育政策部長
先ほども申し上げましたとおり、効果、あと配付の時期などを踏まえて子ども・若者部と意見交換してまいりたいと考えております。
平塚敬二 委員長
続きまして、(5)自動車事故の発生について、理事者の説明をお願いします。
青木 教育環境課長
それでは、自動車事故の発生につきまして御報告をさせていただきます。
1の事故の概要でございますが、(1)の発生日時、(2)の発生場所、(3)の相手方につきましては記載のとおりでございます。
(4)の事故内容でございますが、裏面を御覧ください。当課職員が、事故当時事務を行う場所としておりました池之上小学校第二校舎の南門から、公用車で区道へ出ようとしたところ、図面上では右側から直進してきました相手方の乙車両に気づいて停止いたしましたが間に合わず、区の車両の左側前方部と相手方車両の右側前方部が接触したものでございます。
表面へお戻り願います。(5)の損傷の程度でございますが、区側につきましては、人身はなく、物損は左側前方部ウインカー、ライトに軽微な割れ及びバンパーの浮きが見られました。相手方につきましては、人身は現在保険会社を通じて確認中でございます。物損につきましては、右側前方部のバンパー、右側前後の扉の損傷及び右側前タイヤのパンクが生じております。
2の事後の対応でございますが、相手方とは誠実かつ公正に示談交渉を行っております。また、本件事故の発生を踏まえまして、改めて職員に対し指導し、安全意識を高め、安全運転の徹底を図ってまいりました。今後も、事故防止に向けまして職員への指導を継続してまいります。このたびは誠に申し訳ございませんでした。
報告は以上でございます。
平塚敬二 委員長
ただいまの説明に対し御質疑がありましたら、どうぞ。
あべ力也 委員
一点伺いますが、乙方の人身に関しては確認中となっていますけれども、これはどういうことですか。普通、事故が起こったときに人身なのかどうかは警察のほうに届けていると思うんだけれども、これはどういう経緯ですか。
青木 教育環境課長
事故当時は、タイヤがパンクしたということなんですけれども、御自身でタイヤも交換をされておりました。そのとき、けが等の状況は伺っておりませんでしたけれども、現在、病院に通っているというふうには聞いてございます。診断結果を基に保険会社でも改めて確認した上での判断となりますので、現在、確認中というふうに表現させていただいたところでございます。
平塚敬二 委員長
それでは次に、(6)新型コロナウイルス感染症対策に伴う新BOP学童クラブの実施時間延長モデル事業等への影響について、理事者の説明をお願いします。
田村 生涯学習・地域学校連携課長
私からは、新型コロナウイルス感染症対策に伴う新BOP学童クラブの実施時間延長モデル事業等への影響について御報告申し上げます。
本件は、福祉保健常任委員会との併せ報告でございます。
1の主旨でございます。現在、新BOP学童クラブは、学校の協力を得て活動スペースの拡充を図り、新型コロナウイルス感染症拡大防止対策を十分に行いながら運営しておりますが、今後も引き続き、子ども・若者部と教育委員会で連携し、安全に配慮した取組を最優先で行う必要があります。そのため、平成三十一年四月から開始した新BOP学童クラブの実施時間延長モデル事業の検証等を含む新BOP学童クラブの在り方については、スケジュールを見直し、区民の新型コロナウイルスと共存する中での生活様式の変化や緊急時の対応及び安全対策の在り方等を加味した上で、新BOP学童クラブ利用者の全保護者へのアンケートを実施し、実効性のあるニーズを収集した上で検討を進めてまいります。
2のモデル事業二年目(令和二年度)の実施内容についてでございます。(1)のモデル事業実施校につきましては、前年度と比較し、子どもの成長の経過を見るために、引き続き同じ五校、桜小学校、下北沢小学校、玉川小学校、喜多見小学校、千歳台小学校で実施しております。
(2)の検証・検討内容につきましては、当初予定しておりました内容に加えまして、丸ポツの最後に記載しておりますとおり、今回の新型コロナウイルス感染症対応を踏まえ、緊急時における新BOPの対応や安全対策について検討することとしております。
(3)のアンケート調査概要ですが、これまで実施してまいりましたモデル事業利用者を対象としたアンケートに加え、新BOP学童クラブ利用者の全保護者を対象としたアンケートも実施いたします。全保護者アンケートは、保護者負担を軽減するためウェブで実施する予定でございます。
(4)の全新BOP学童クラブ利用保護者アンケート内容につきましては、記載のとおりでございますが、①の実施時間延長について以外にも、②の新BOP学童クラブ以外の放課後事業等の利用について、③の新BOP事業全体について、④の新型コロナウイルス感染症拡大等に伴う緊急時の対応についての設問を設けてまいります。
(5)のまとめについてでございますが、アンケートを踏まえ、利用実態や人員の確保、子どもの過ごし方などの分析を踏まえたニーズや有効性、今後の進め方、全区的な延長実施に向けて、実施の可否及び実施の時間帯や取組等、緊急時の新BOPに対してどのような対応を求めるかなどについて必要な分析を行った上で、検証、検討して取りまとめてまいりたいと考えております。
3の今後のスケジュールでございますが、令和二年八月下旬に第一回新BOP事業のあり方検討委員会を開催し、新BOPの現状、課題や当面実施できる緊急時の対応なども含む今後の対応について検討してまいります。九月上旬からアンケートを実施し、十月中旬にアンケートのまとめの速報を作成の上、第二回新BOP事業のあり方検討委員会を開催します。十一月に第三回新BOP事業のあり方検討委員会、十二月に第四回新BOP事業のあり方検討委員会を開催し、新BOP学童クラブの延長や新事業について検討します。令和三年二月に、モデル事業二か年のまとめ及び今後について、常任委員会に報告の上、令和三年度に新BOPの今後の方向について検討し、九月の常任委員会に御報告してまいります。また、令和四年二月に子どもの自立を含めたモデル事業のまとめと令和四年度以降の取組について常任委員会に報告してまいりたいと考えております。
私からの御報告は以上です。
平塚敬二 委員長
ただいまの説明に対し御質疑がありましたら、どうぞ。
あべ力也 委員
新BOP学童クラブにつきましては、この間、新型コロナウイルスの影響等において、ここにお預けになっている保護者の方からも、もしくは学童クラブの指導者の方からも、様々な御意見と御要望等をいただいてきているというのが実情であります。新BOP学童クラブは、子どもたちの居場所を確保するということが一つの目的でございますので、実施時間の延長というのは重要なファクトであるというふうに思います。学校の中で行われている事業でありますから――学校自体は今、文科省も様々ICT等を進めて、タブレットを子ども一人一人に配付して、自宅でも学校の授業を受けられるような環境整備をするとか、いろいろ新たな学校の教育環境の充実に向けて検討されたり、設備を整えたりということをされているんですが、学童クラブ、新BOPに関しては、例えば、タブレットに関しても利用ができない。
この間、指導者の方からもそういうような要望というのか、学校の施設の中で事業としてやっているんだけれども、使えるものが限られていて、学校と同じような環境での子どもの居場所の確保が実施されていないということに対して、改善ができないのかというような要望を賜っているのが実情であります。預けていらっしゃる保護者の方、そして指導者の方のそういった意見に対して、学童クラブ、新BOPに関しても、学校でやっている事業ですから、タブレットを利用したり、そういうことに関してはできる限り提供できるような環境を整備していただきたいということなんですが、その辺についてはどういうふうに考えていらっしゃるのか、御意見をちょっと伺っておきたいと思います。
田村 生涯学習・地域学校連携課長
今、委員おっしゃっていただいたとおり、いろんな意味で学校と同じような条件で、学校の延長のような形でできればいいというような御要望もいただいているところだとは思います。事業的には放課後児童クラブと放課後子ども教室の二つの事業を一緒にして、新BOP事業を行っているわけですけれども、その中で実際のいろんな使用するものについて、今後、今いただいたような意見を私たちのほうでもしっかり受け止めて、子ども・若者部と連携しながら、調整しながらそういった意見を踏まえまして、今後の検討材料とさせていただきたいと思います。
あべ力也 委員
ぜひ検討していただきたいと思います。現場の指導者の方からは、コロナ環境下にあって、お預かりしているお子さんの大変密な状況があって、指導者の方としてもコロナウイルスの感染に対する脅威というものを感じながら、日々、お子さんを受け入れてきたという実情があって、それに対する対応として、様々、学校の環境整備と同じような環境整備をぜひしていただきたいという要望が実際にございます。
今、課長から前向きな答弁をいただきましたけれども、ぜひそういう皆さんの要望に応えていただけるような環境整備に向けて、しっかり取り組んでいただきたいと要望しておきたいと思います。
以上です。
平塚敬二 委員長
次に、(8)新型コロナウイルス感染症対策等を踏まえた世田谷区立図書館運営体制のあり方検討の進め方について、理事者の説明をお願いします
谷澤 中央図書館長
それでは、私からは新型コロナウイルス感染症対策等を踏まえた世田谷区立図書館運営体制のあり方検討の進め方について御報告をさせていただきます。
それではまず、1の主旨でございます。第二次図書館ビジョンの第二期行動計画では、地域図書館等へ民間活力の活用による運営体制などを導入することとしておりまして、本年二月の当委員会におきまして、区立図書館全体の運営体制の検討状況と今後の取組について御報告をさせていただきました。しかしながら、今般の新型コロナウイルスの感染拡大防止のために、これまでのところ、外部の検討委員による会議体を現在開催することができておりません。また、既に実施いたしました貸出宅配サービスや今後検討いたします電子図書館といった非来館型の図書館の導入が求められている状況もございます。またさらに、梅丘図書館につきましては工事を三年間先送りする決定をいたしましたが、閲覧席や機器の設置、運営方法などについて新しい生活様式を踏まえた仕様に見直す必要があると考えております。こうした状況を踏まえまして、区立図書館全体の運営体制につきまして、図書館サービスの在り方を含めて総合的に検討する必要があると考えまして、今後の進め方やスケジュールの見直しについて御報告をさせていただくものでございます。
続きまして、2の検討内容についてでございます。(1)から(4)の四点を挙げさせていただいております。まず、(1)の民間活力の活用についてでございます。区立図書館全体の運営体制の在り方を検討していくに当たりまして、まずは区の果たす役割を明確にした上で、区職員による運営体制、また、民間活用による業務委託や指定管理者などの運営体制、それらを比較検討する必要があると考えております。検討に当たりましては、民間の評価機関を活用いたしまして、各館ごとのコストだけではなく、利用者満足度ですとか、その他様々な指標など、総合的、客観的に分析をしながら検証を図ってまいりたいと考えております。
(2)地域との連携強化でございます。おはなし会ボランティアや利用者懇談会など、地域で図書館と関わっている様々な住民や団体の方々が、区立図書館の事業やサービスに一層積極的に御参画いただけるように、地域との連携強化に向けた取組についての方向性も示してまいりたいと考えております。
続きまして、おめくりいただきまして、(3)新たに求められる図書館サービスについてです。新型コロナウイルス等の感染症対策を行いながら、より一層の図書館サービスの推進を図っていくために、例えば、自動返却機などの非接触型のサービスですとか、あるいは電子書籍や宅配サービス等を活用した非来館型の図書館など、そういったサービスを念頭に置いた新しい図書館サービスの在り方を検討していきたいというのも考えております。
(4)のその他でございますが、改築工事が先送りになりました梅丘図書館における感染症対策を踏まえたレイアウト、設計等の見直しですとか、あるいは今後の中央図書館の役割、機能や位置づけなどについて、区立図書館全体の中で考え方を整理してまいりたいと考えております。
次に、3の進め方についてでございます。まず、(1)ですが、民間の評価機関による分析・検証ということで、区立図書館全館を対象に、様々な指標や運営実績等に基づく全館比較と分析を民間評価機関に委託をいたしまして、図書館の運営体制を検証していきたいと考えております。
(2)の検討委員会の設置についてですが、現在想定しております構成メンバーにつきましては、表に記載しております、御覧のようなメンバーを考えております。
最後に、今後のスケジュールでございます。本日の委員会で御報告をさせていただいた後に、民間の評価機関による分析、検証を早急に進めてまいりたいと考えております。そして、十月中旬までに検証報告を取りまとめまして、その報告書を基に、十月下旬頃に一回目の検討委員会を開催したいと考えております。そして、十一月に当委員会で、まず一回目の中間報告をさせていただき、以降、翌年一月まで四回委員会を実施したいと考えております。
おめくりいただきまして三ページになりますけれども、四回開催し、二月の当委員会で二回目の中間報告を行う際に素案を提示させていただきたいと思います。そして、三月には最終回となる五回目の検討委員会を開催いたしまして、五月の当委員会で委員会の検討結果を報告させていただきたいと考えております。おおむねこのようなスケジュールで進めさせていきたいと考えております。
私からの説明は以上でございます。
平塚敬二 委員長
ただいまの説明に対し御質疑がありましたら、どうぞ。
あべ力也 委員
今、御議論されたような区立図書館十六館と、地域図書館が五室、図書館カウンターが二室ということで、合計で二十三です。これは全ての区民が利用できる図書館ということですけれども、区には学校の図書館がございます。学校は、小学校が六十一校、中学校が二十九校それぞれに図書館があるということですから、世田谷区全体の図書館ということで考えると、学校図書館をいかに活用していくかということも重要な課題だと思うんです。もちろんその学校を利用している児童生徒というのは限られた区民になるわけですけれども、ただ、小学校は六年間、中学校は三年間、学校に通っている子供たちが利用するということで考えれば、区立館と同じように様々な情報提供ができるような図書館に変えていくということも大事で、その点では、今回の基本方針の図書館ネットワークという中に学校図書館も組み入れていくことも必要なのではないかなというふうに思うんです。
特にコロナ禍の中で、図書館の在り方そのものも検討していくという中で、私も電子書籍の提案をさせていただいておりますけれども、だからといって、図書館そのものが、箱そのものが要らなくなるということは私はないと思うんです。というのは、図書館は何も貸本業務だけが図書館の存在意義ではなくて、まさにそこで学んだり、知的な活動をしたりということが図書館そのものの存在意義でありますから、貸本業務が電子化されたからといって、図書館は要らないというような乱暴な議論にはならないと私は思います。
新たな図書館の存在意義をしっかり再構築していくという中で、学校図書館の位置づけに関しても、どういうふうにしていくのかということも大事なことだと思います。また、学校も改築をしたり何かする場合に物理的に、例えば、学校がお休みのときでも学校図書館を児童生徒が利用できるような構造にするとか、今、学校の安心安全というようなことで、下校時間以降になると、図書館を利用することがなかなかできないというようなことも生徒さんからも伺っておりますし、保護者の方からも伺っております。そういう中で、学校図書館の構造的な問題も含めて、下校時間後とか、あとは休日なんかも図書館に関しては出入りができるような構造を検討するとか、新たな学校図書館の試みということが私は必要なことだと思います。
ただ、全体的な世田谷区の図書館の今後の検討という中で、学校図書館をどういうふうな位置づけにしていくのかということも含めて、しっかり検討していただきたいと思うんですが、この点については、今回の世田谷図書館ということの中には、学校図書館の位置づけについては触れていないものですから、その点についてお考えを伺っておきたいと思います。
林 生涯学習部長
今、委員に御指摘いただきました学校図書館、学校図書室との連携という部分で、そもそも第二次世田区立図書館ビジョンの中でも、学校図書館との連携というのはうたわれておりまして、学校図書館につきましては司書を全校配置ということで、この間も拡充してまいりました。今後、サービス拡充だとかいろんなサービスの在り方がある中で、当然、学校との連携というのは今後も深めていく必要がありますので、この検討の中でどうやったら学校とうまく連携し、どうやったら活用していけるのかという点も踏まえて検討してまいりたいと思います。
あべ力也 委員
学校図書館の運営権限というのは、学校長ということなんだと思うんです。それと、一般的な区立図書館は、教育委員会の所管ということで、権限の違いということが、どうしても連携とか、学校の図書館の利用ということに関して様々な制限がかかってくるということの一因だと思いますけれども、その辺は教育委員会と学校長で今後の学校図書館の在り方についてしっかり議論していただいて、児童生徒が使いやすい学校図書館、そして区立図書館との連携等々がしっかりできて、そういった学校に通う児童生徒の図書需要、図書意欲につながるように、しっかり改革をしていただけるようにお願いしたい。これも要望しておきます。よろしくお願いします。