令和4年3月22日、予算特別委員会にて文教委員会所管質疑を行いました。
主な質問項目
- 学校プールについて
詳細は以下をご覧ください。
学校プールについて
質問してまいりますが、今回、学校プールについて質問したいと思います。
都内の他の自治体でも学校プールの整備や水泳の授業の見直しが進んでいます。特に来年度の予算の案の中で、例えば多摩市の場合は、公立小学校全十七校の水泳の授業を校内の野外プールから民間の市営の屋内プールに移し、インストラクターに指導してもらう費用として五千八百万円を計上したというようなことです。市によると、学校単位での同様の措置はあるけれども、自治体が全校の水泳の授業を実施するのは全国でも珍しいというようなことです。
近年の猛暑で、野外プールで授業ができないケースが多摩市の場合には相次いだということで、そういうことの解消のために、屋内プールの民間にお任せをするというようなことも検討されているようです。それが大変好評だということで、プールのメンテナンス費を減らすということができて、教員の働き方改革にもつながるということで、市長も実施をしたいということで強力に推進をするということのようです。
また、葛飾区は、同じように区立小学校水泳の授業で、郊外の野外温水プールの活用を始めると。八校で先行実施をし、四校で体験試行する。区立総合スポーツセンターや民間プールなど十施設の利用料など九千百万円を計上したということです。区は季節や天候を問わず利用できるなどの利点を挙げているということで、二十八年度までには区立小の四十九校中の四十校で、また郊外プールに移行する方針だということで、これは二十三区で初めての取組だということのようですけれども。
翻って世田谷区を見てみますと、世田谷区は、小学校六十一校、中学校二十九校で、ほとんどはもう自校でプールの整備をしているという状況のようですけれども、その稼働率とかいうこととか、あと、年間の授業日数はそれぞれ十時間程度ということのようです。また、プールの建設費は約三億円、年間維持費に関しては三百万円ぐらいの維持費がかかっている。水道代が、二十五メートルプールをいっぱいにするのに大体二十五万円ぐらいかかるということのようですから、それぞれ各校にプールがあるということの経費は莫大なものになるのではないかというふうに考えます。
また、その指導によって子どもたちの泳力がどれぐらい向上したのかということを、区内の小学校で毎年調査をしているようですけれども、教育委員会のお答えでは、泳力調査の結果では、子どもたちの泳力に大きな変化はないということで言われているということであります。
昨今、子どもたちも民間のスポーツクラブで、スイミングクラブに通われているという児童が大変増えているという中で、学校での水泳の授業の在り方そのもの、また基盤整備の在り方も含めて見直しを進めていく必要があるというふうに私は考えるわけですけれども、それにはまず、子どもたちがどれぐらいそのスポーツクラブなんかで水泳をしているのかというようなことの実態の把握をする必要があると思いますので、そうした現状把握のアンケート調査を実施すべきだと思いますけれども、教育委員会のお考えを伺いたいと思います。
毛利 教育指導課長
現在、スイミングスクールに通っている児童の割合というのは認識をしておりません。今後、今お話のありましたアンケート調査について実施可能かどうかも含めて検討させていただきたいと思います。
ほかの自治体では、水泳の授業そのものは、私は水泳の授業は必要だとは思うんです。何年か前に、韓国で水難事故があって、韓国では水泳の授業が
ないというので、子どもたちが皆さん水難で亡くなったというようなことが報道でありましたけれども、日本の場合には水泳の授業があるので、そういうことはないのかなというふうに思います。
水泳の授業の大事さというのは私は認識をしておりますので、授業をなくせという話ではなくて、基盤整備の考え方であったりということで、例えば各校に整備をするというんではなくて、いわゆる学び舎の中で一校にきちんとしたプールを整備するとか、共同利用等の考え方もできますし、様々考え方というものはできると思いますので、ほかの自治体がこういう動きがあるという中で、世田谷区も検討するいいきっかけにしていければいいんじゃないかなと思うんですが、教育ビジョンの中にも見直しの検討なんかを位置づけられることではないかと思います。
また、ほかでは民間のプールとか、スポーツクラブ、スイミングスクールなどの活用とかということを視野に実施をされているということですけれども、こうしたアウトソーシングの考え方というのも教育現場に取り入れていく必要が私はあるんじゃないかなと思いますけれども、教育長、今後の世田谷の学校プールの在り方として、様々検討していく必要があると思うんですが、今後の考え方としてどういうお考えをお持ちでしょうか。
渡部 教育長
自校以外のプールを活用した水泳授業のモデル事業として、今現在行っています二校程度、来年度はもう少し広げて、民間の指導員を派遣してというところで今広げているところです。
これらを行いながら、課題も認識をしております。それは移動の時間がかかる、それから、子どもたちのカリキュラムをどのように組み立てていくか、評価はどのようにするかなどでございます。そのようなことを全て把握した上で、今後検討してまいります。
アウトソーシングや基盤整備の在り方、授業そのものの在り方についても様々課題があると思いますので、課題の整理をしながら、他区で実施しているような検討を世田谷区でもしっかりしていただきたいということを要望しておきたいと思います。特に民間の施設を利用した考え方なんかは、世田谷区ではまだやっていないわけですから、そういうことも検討の中にしっかり取り入れて、子どもたちの泳力の向上のために資するような授業を展開していただきたいと要望いたしまして、私の質問を終わります。