令和2年第2回定例会 本会議 一般質問

令和2年6月11日、本会議にて一般質問を行いました。

主な質問項目

  • 区財政について
  • 行政サービスについて
  • 区民生活について
  • 休業要請の中での教育について
  • スーパーシティ構想実現に向けた国家戦略特区法について

詳細は以下をご覧ください。

区財政について

ウィズコロナ、アフターコロナの世田谷区の再構築という観点から伺ってまいります。
まず、区財政についてですが、品川区は、新型コロナウイルス対策として総額約百三十五億円で、全ての区民を対象に一人三万円、中学生以下は一人五万円の区独自の給付金支給を行います。一方、世田谷区は、区長が、国の一律十万円給付金ですら、その遅れを政府に責任転嫁するばかりで、独自の対策を講じておりません。また、ふるさと納税による区税への影響は、平成二十一年から現在まで百五十億円超の赤字で、品川区の給付金総額をも超えています。世田谷区の財政調整基金残高は三百二十三億円で、品川区と同じ事業を展開するには足りませんが、区がもう少し実効性のある具体の対策を講じていれば、潤沢な基金の下、安定的な財政運営ができたものと残念に感じております。
各部に副区長名で依命通達が出され、事業の見直しが行われるわけですが、ふるさと納税を放置し、財政的に厳しい事態を招いた区長の責任に区民から厳しい御意見等が私の下にも届けられておりますが、こうした区民の声をどう受け止めるのか。また、財政健全化に向けた対策として、新庁舎計画や税収見込み、基金運用計画を含め、事務方トップである副区長にお聞きいたします。
人口が多く税収総額も多い割には、区民一人当たりの財政支出が少なく、区民満足度も低い世田谷区をどう改善していくのかも課題です。対策を伺います。
また、ふるさと納税で世田谷区の地場産品と総務省基準で認められるものは幾つあるのか、お答えをください。商工会議所と一緒に寄附者に選ばれる商品開発も必要であると考えますが、区の見解を伺います。

宮崎 副区長

私からは、ふるさと納税、新庁舎計画、税収見込み、基金運用計画について、順次お答えします。
まず、ふるさと納税の関係でございますけれども、累計で約百五十億円というこの間の世田谷区のふるさと納税による税源流出額については、大変深刻に受け止めております。区としましては、引き続き、あらゆる工夫をして流出抑制策を講じていくことが重要であると考えております。
次に、税収見込みの関係でございますけれども、今般の新型コロナウイルスの影響は数年続くとも言われており、コロナ前の水準への回復は見込めないことを前提として考えていこうと考えております。
次に、それに係ります基金運用計画でございますけれども、今後の基金の活用計画につきましては、八月に改めましてお示ししてまいりますけれども、真に必要なサービス等を維持するための基金活用は必要である一方で、アフターコロナを見据えた持続可能な財政運営にも留意して考えていきたいと思っております。
なお、新庁舎整備の関係でございますが、これにつきましては、先ほど申しましたように、今般の新型コロナの感染対策面と財政面の両面で検討し、改めてお示ししたいと、このように考えております。
以上でございます。

中村 政策経営部長

私からは、七点について順次お答えいたします。
まず、区民満足度も低い世田谷区をどう改善していくのかという点です。
区は、これまでも議会での御議論や区民意識調査、区民の声など、区民からいただいた御意見を基に区政の改善に努めてまいりました。ここ当面、新型コロナウイルスの感染拡大に伴う緊急対策として、区民の命と健康を守るため、感染拡大防止対策、区民の生活と事業活動を支える対策、子どもの育ちと学びを支える対策の三つを柱に、庁内一丸となって取り組んでまいります。これから迎える厳しい社会経済環境の中で、各事業を従来どおり継続することを前提とせず、施策、事業の在り方をどう変えていくべきか、本質的な見直しを検討し、多くの区民の方々に理解や御満足いただける施策の展開に努めてまいります。
次に、ふるさと納税の返礼品についてです。
お話しの返礼品について、総務省は、区域内において生産や主要な加工がされていることなどの地場産品基準を示しており、区ではこれを踏まえ、寄附へのお礼の気持ちを表す記念品として、障害者施設の自主生産品五種類や、世田谷みやげ三十八種類を扱っています。今後、返礼品競争とは一線を画する形で、区の魅力をPRし、かつ寄附に対する気持ちを表せるような記念品の工夫、開発についても、関連部署と連携して検討いたします。

行政サービスについて

次に、行政サービスについてです。
国は、緊急事態宣言に当たり八割の接触削減を要請しておりましたが、世田谷区では、区民へのサービス面や職員の職場環境の面の双方で達成できたのでしょうか。達成の状況をお教えください。
現状の世田谷区の制度設計やシステムで勤務人員数への法的縛りがあるものを除き、テレワークが可能な職場や職種、人数はどれぐらいと算出しているのでしょうか、お答えをください。
正規職員約五千人、非正規職員約四千五百人に関し、感染症対策として機動的にシフトできるよう、あらかじめテレワークの可否を精査しておくことが必要と考えますが、今後の検討を伺います。また、イントラネットと現状のクラウド環境をセキュリティー重視のため、同じシステムで共有していることから、テレワークには適さない世田谷区の情報システムの限界と欠陥があるのではと推察いたします。今後、区民の個人情報を守るイントラネットや内部クラウド環境とは別に、機密情報や個人情報は持ち出せない外部クラウド利用による在宅勤務環境整備の推進が必要と考え、提案いたしますが、区の考えと今後の取組についてお聞かせください。
また、AIサーモグラフィーカメラで体温チェックによる感染予防とAI顔認証システムによる職員の出退勤管理の導入も検討すべきと考えますが、区の見解を求めます。
区の公共施設を利用する区民の接触削減とその対策も求められますが、非接触、非対面型オンライン行政窓口の創設と促進、各種電子申請の推進と電子認証制度の確立などの検討と併せて、全庁での窓口業務数に対するオンライン化の可否の検討も必要です。また、区の契約書を含む契約の仕組み全体のオンライン化と電子化は、多くのメリットが見込まれ、実施を求めるものですが、併せて見解を求めます。

中村 政策経営部長

次に、在宅勤務の環境整備についてです。
区の情報システムは、住民情報や機密情報を取り扱うシステムとインターネットとを完全分離した厳密な情報管理を実施してきました。そのため、民間企業のようなインターネットやクラウドサービスを活用したテレワークができない業務が多いのが現状です。
この間、区では、セキュアな閉域網を利用したモバイル端末を用いたモバイルワークの試行運用を行ってきました。今回のコロナ禍に対する在宅勤務における端末としても利用しておりますが、現時点においては、端末数及び回線数に限りがあるため、一部の限定的な利用にとどまっているという課題がございます。また、個人情報や機密情報を取り扱わずに作業が可能な業務においては、ワンドライブなどのストレージサービス活用や、ズームを用いた遠隔間でのウェブ会議など、在宅勤務に有用なクラウドサービスの段階的な導入を行っているところです。
今後、各所管で進められている在宅勤務可能な業務の洗い出しや運用面の整理と連携しながら、中長期的な観点で最新技術や他自治体の動向の情報収集を図り、在宅勤務に適切なICTの在り方を検討してまいります。

田中 総務部長

私からは、初めに、国の八割接触削減要請に対する区の状況について、三点に併せて御答弁いたします。
区では、国の緊急事態宣言発出後の四月九日に、職員の通勤時等における接触機会の低減や職場における感染拡大を防止するため、各部長に対し、職務の内容等を精査し、区民サービスに影響のない範囲で積極的に在宅勤務や週休日の振替、時差出勤などに取り組むよう要請いたしました。あわせて、緊急を要しない会議、出張の中止や延期のほか、電話、メール、オンライン会議など、開催方法を工夫することで接触削減に取り組んできたところでございます。
接触削減割合の算出は困難ですが、要請後の四月十日から三十日までの間、平日における職員の出勤は全体でおおむね二五%程度抑制されました。テレワークが可能な業務や人数、導入の可否などについては、今回実施した在宅勤務の取組の検証及びモバイル環境の整備状況などを勘案しながら、今後検討してまいります。
次に、サーモグラフィーカメラでの体温チェックや感染予防とAI顔認証システムによる職員の出退勤管理の導入について御答弁いたします。
新型コロナウイルス感染拡大防止に向け、職員に対し、毎日の体温測定と体調が悪い場合の外出自粛の徹底について、繰り返し注意喚起を行ってまいりました。御提案の手法も有効な手段であり、今後の検討課題と考えますが、出勤に公共交通機関を使用する職員も多いことから、体調が悪い場合には外出そのものを自粛することが最優先であり、今後も、体温測定などの健康管理を呼びかけてまいります。
顔認証システムについては、経費や運用上の課題もございます。今後、新庁舎に向けた検討もございますので、その中で参考とさせていただきます。
以上でございます。

小湊 財務部長

私からは、区の契約の仕組み全体のオンライン化、電子化についてお答えを申し上げます。
区の契約につきましては、現在、入札の手続が都内五十八市区町村の共同運営により電子化されておりますが、契約書の作成は、入札によらない契約も含め、紙による対応となっております。契約書を含む契約の仕組み全体の電子化につきましては、迅速化、省スペース化や契約相手方の印紙税の削減、来庁機会の削減などのメリットが想定されます。
一方、電子化に当たりましては、共同運営システムの機能拡大に向けた都内市区町村との協議などが必要となります。このため、本年度中に電子契約の本格導入を予定している国土交通省での運用状況などを参考に、研究をしてまいりたいと考えております。
以上でございます。

区民生活について

次に、区民生活についてですが、特に保健所に関しては、検査体制、保健所の体制、地域医療体制について、保健所の相談窓口のオンライン化等も含め進めるべきですが、見解を求めます。
その他の各種相談窓口のオンライン化も課題です。この間、社会保険労務士の皆さんへの臨時労働相談窓口件数は五月二十日までで七百四十二件とのことで、オンラインによる相談窓口の創設など、相談業務の拡充を望むものですが、見解を求めます。
また、行政書士、弁護士、税理士など各士業の皆さんの区の相談事業においても、接触対面型からズームなどの活用をしたオンラインによる非接触、非対面による相談に変更すべきと考えますが、見解を求めます。
せたがやコールについては、AIチャット対応に加え、オンラインテレビ電話での対面サービスの検討など、先進事例を参考にした取組を求めるものですが、見解を求めます。
災害対策では、避難所の感染症対策として衛生物資確保の検討とともに、避難所運営組織に新型コロナウイルスや今後発生する新種のウイルスを含めた感染症の知識習得による適切な運営に取り組む準備をしてもらうため、エンパワーメントについての区の見解を求めます。
福祉分野では、待機児童の定義を国基準とし、カウントし直した結果、待機児童ゼロになったとのことですが、待機状態にある児童の保護者からの怒りの声が上がっております。保育園を希望していて実質待機になっている子どもの数と今後の対応についてお聞かせをください。
少子化社会対策大綱が五月二十九日に閣議決定されておりますが、この中で特に不妊治療に係る経済的な負担の軽減、児童手当の支給の在り方の検討、育児休業など男性の育児参画の促進など、これらの世田谷区でもなかなか進まなかった課題解決に向け、どのように取り組むのか、見解を伺います。

中村 政策経営部長

次に、窓口申請のインターネット化についてです。
現在、区では、都内の都区市町村の五十九団体と共同し、電子申請システムを運営しています。イベントの申込みや職員募集などの手続を行っております。また、施設予約でのけやきネットシステムや粗大ごみ受付システムによるオンライン受付、住民票等のコンビニ交付など、窓口への来庁を不要とする仕組みを整備してきました。今後とも、区民にとって分かりやすく利便性が高い申請手続を目指し、インターネットによる電子申請手続の拡充に加え、申請方法の統廃合を含めた非接触型の区民サービスについて、検討をしてまいります。
続きまして、せたがやコールについてです。
せたがやコールは、現在、電話、ファクス、メールでの対応をしております。御提案のオンラインテレビ電話対応やAIチャット対応につきまして、先進自治体の取組事例を参考に検討してまいりたいと考えております。
次に、各種相談窓口のインターネット化についてです。
区では、行政書士や弁護士、税理士などによる様々な相談窓口がございます。現在、感染症拡大防止のため、対面での相談を中止し、電話相談のみを行っております。相談を御利用になる方には、インターネット環境が整わない方も想定されることから、現在、リモート相談対応はしておりませんが、今後、感染症拡大防止対策を前提とした、区民の方が相談しやすい環境を検討してまいります。
以上です。

菅井 危機管理部長

私からは、避難所運営組織への感染症対策の周知や知識の取得などについて御答弁申し上げます。
避難所における新型コロナウイルスなどの感染症対策について、町会・自治会をはじめとする避難所運営組織の皆様に十分に理解をしていただくことは大変重要であると認識しております。区は、今般取りまとめた風水害時の避難所における新型コロナウイルス感染症への緊急対応方針に基づき、現在、避難所ごとに作成している避難所運営マニュアルと併せて活用できるよう、感染防止対策等をまとめた留意事項を早急に作成する予定でございます。
今後、より円滑で適切な避難所運営を実践していくために、各総合支所を通じまして、各避難所運営委員会などで周知を行っていくとともに、留意事項を踏まえた各避難所における、より具体的な対策の点検と検討をしていただくことで、避難所運営の実効性の向上を目指してまいります。
以上でございます。

田中 経済産業部長

私からは、社会保険労務士相談について答弁いたします。
三月から感染拡大防止のため、電話での社会保険労務士相談を開始いたしました。御提案のインターネットによる相談窓口については、産業振興公社社会保険労務士会と協議の上、検討を進めてまいります。
以上です。

澁田 保健福祉政策部長

私からは、二点について御答弁申し上げます。
一点目、検査体制についてでございます。
区内におけるPCR検査につきましては、帰国者・接触者外来や保健所での検体採取のほか、世田谷区医師会が運営する地域外来・検査センターと玉川医師会が行うドライブスルー方式による検査センターがございます。区内医療機関、両医師会、世田谷保健所と、検査体制が整ってきている中で、医療関係者への人材確保やN95マスク、防護服等の医療消耗品の供給が課題であり、東京都への物品類の補充の要望や看護師、技師などの人材確保に向けた調整を引き続き実施しまして、オンラインでの速やかな情報収集についても検討してまいります。
二点目、地域医療体制についてお答えいたします。
区では、現在、新型コロナウイルス感染者の治療に当たっている区内病院との定期的な情報交換を行っており、感染者用の病床確保による病院経営上の苦境や、防護服等の医療物品の不足の懸念など、切実な声をいただいております。こちらの情報交換会につきましては、オンラインでの情報交換を検討してまいりましたが、セキュリティー面での課題があるということが判明してございます。区といたしましては、地域の医療体制を維持するため、感染の第二波を見据えた感染者の受入れ体制等の維持とさらなる拡充が重要と考えておりまして、区における支援策としまして、病床確保に向けた病院経営支援に着手してまいります。
以上でございます。

辻 世田谷保健所長

私からは二点に、まず保健所体制についてお答えいたします。
保健所では、現在、電話相談と法に基づく陽性患者、濃厚接触者の対応や、疫学調査等の防疫業務を実施しております。いずれの対応も、保健所職員に加え、電話相談は委託による人材派遣と総合支所等からの応援職員、防疫業務は総合支所からの応援職員により対応しており、第二波、第三波に向けて、民間活力も含め各方面からの適切な人員確保に努め、体制を整備した上で対応に当たってまいります。
次に、保健所相談窓口のオンライン化です。
保健所の帰国者・接触者相談は、保健師、看護師の専門職が区民の症状を丁寧に聞き取り、検査が必要となった場合、速やかに検査につなげることを目的として、開設当初より電話で受付を行っております。インターネット等、オンラインを活用した相談は、離れた場所で相談できる一方、自宅の様子が見えたり、健康に関する情報をインターネット上でやり取りするなど、個人情報保護上の課題がございます。保健所といたしましては、第一波の状況も踏まえ、区民が利用しやすい相談体制の構築に取り組んでまいります。
私からは以上です。

知久 保育部長

私からは、保育待機児と今後の対応について答弁いたします。
区は、昨年度の約八百人の定員拡大や育児休業延長希望者への入園選考の見直し等により、令和二年四月一日の保育待機児童はゼロとなりました。一方、育児休業延長希望者の潜在ニーズや、半径二キロ圏内に保育施設の欠員があることで、保育待機児童数から除外した四百七十四人の方々への対応など、まだまだ多くの課題があるものと認識しております。
区では、今年度、約五百六十人分の施設整備を予定するとともに、入園申込者数が増えている一歳児定員の確保策として、認証保育所のゼロ歳児定員を一歳児へ振り替える取組などを通じ、待機児童ゼロの継続を目指してまいります。
以上です。

加賀谷 子ども・若者部長

私からは、国の少子化対策大綱を踏まえました区の取組について御答弁いたします。
区では、平成十五年の少子化社会対策基本法、平成十六年の少子化社会対策大綱などを踏まえ、様々な子ども・子育て施策を実施し、本年四月からの子ども計画第二期後期計画でも安心して子どもを産み育て、子育てに夢や喜びを感じることができる地域社会の実現を目指し、取り組んでいるところでございます。今後、国は、安定財源の確保を含め、幅広く検討を進めるとしており、動向を注視しつつ、区の政策につきましては、子ども・子育て会議などで議論をしてまいります。
以上です。

休業要請の中での教育について

次に、教育関連でありますが、BOPや学童クラブの指導員の方から、社会全体が休業要請の中にあるにもかかわらず、感染危機に直面しながら勤務している現状や、そこに預かっている子どもたちに関して、同じ危険に直面している現状について様々な御相談がありました。世田谷区は、肝心の学校や教員が責任を持って医療現場や介護、物流といった職場で働くキーワーカーの子どもたちや、支援が必要な子どもを受け入れるべきではないかといった疑問や、休校になっても今般のように七日間だけ弁当を配食サービスで特殊な事情の子どもに限定して配送するだけでなく、希望する全ての児童生徒に全期間学校で配付することもできるのではないかというものです。こうした声に対する回答と、今後の検討を求めます。
また、図書館ですけれども、区立図書館や学校図書館での電子図書の貸し出しの検討も必要かと考えます。この点についても見解を求めます。
文科省が提唱する新型コロナ感染対策に伴う児童生徒の「学びの保障」総合パッケージでは、あらゆる手段で子どもたち誰一人取り残すことなく最大限に学びを保障するとしていますが、世田谷区の学校では、児童が自主的に学ぶために学校の図書館や教室を自習で使いたいと言っても許可すらしておりません。国での政策が、言葉だけが踊って現場の自治体では子どもたちのやる気をそぐような現状をどう考えるのか、改善を求めますが、教育長の見解を求めます。

宮崎 副区長

私からは、区の福祉事業全体の人材確保について御答弁申し上げます。
区ではこれまで、ハローワークなどと連携した就職相談・面接会や、宿舎借り上げ助成、ICT化による負担軽減など総合的な働く環境の改善支援に取り組むとともに、特別区長会を通じまして国、都に対して人材の確保及び処遇改善の要望を行ってきたところでございます。
一方で、国全体は人口減少に向かう中で、今後、人材確保というのは競争関係に入ってまいります。そういう中では、今後とも国、都に強く要請していくことはいたしますが、これからは自前でも、やはり福祉の人材を育てていかなければならないという時代に入ってきていると思います。今般、福祉人材育成・研修センターを最大限に活用いたしまして、改めて福祉人材の確保策に鋭意取り組んでまいりたいと考えております。
また、この福祉人材育成・研修センターでございますけれども、先ほど御提起もございましたが、保育、高齢、障害、さらには今般の児童相談所の開設に伴って、児童福祉司の養成も喫緊の課題でございます。こういうところも目配せしながら先ほど申しましたセンターを最大限活用したいと、このように考えております。
以上でございます。

スーパーシティ構想実現に向けた国家戦略特区法について

最後に、五月二十七日に国会で成立したスーパーシティ構想実現に向けた国家戦略特区法についてです。
スーパーシティ法は、自動運転やAIバス運行、ドローンを活用した物流の整備など、革新的技術を取り入れた都市基盤整備を実現しようと、全国五か所の都市を特区指定し、国が取り組む事業です。世田谷区もモデル実施指定都市としての指定獲得を目指して手を挙げるべきと考えますが、区の見解を求め、壇上からの質問を終わります。

中村 政策経営部長

次に、スーパーシティ法についてです。
スーパーシティ構想は、自動運転やキャッシュレス決済、医療データのICT活用による健康寿命の延伸など、生活全般にわたり、未来社会での生活を先行して実現する都市構想です。国は、秋までに自治体の募集を開始し、年内の決定を目指すと報道されています。一方で、本構想の実現に向けた行政や民間が保有する住民の様々な情報の収集管理について、詳細が示されていない状況です。スーパーシティ構想の目指す未来都市の姿は、区の将来像を考えていく上で参考となるものです。引き続き、国や他自治体の動向に注視するとともに、有識者等の意見を伺いながら、十分に制度の詳細を見極めて方針を決めていきたいと考えています。

再質問

区長に二点お伺いいたしますけれども、まず、今日の産経新聞でも取り上げておりますけれども、過去六度にわたり待機児童数が全国最多だった世田谷区が一転してゼロ達成を発表したわけでありますけれども、国の定義に沿って集計方法を見直した結果であって、潜在的な待機児童は七十九人増の四百七十四人という現実は変えようがありません。待機児童を抱える保護者からは怒りの声が寄せられております。
原因の一つでもある保育園の偏在解消に向け、さらなる計画的な保育園の整備による実質的な待機児童ゼロを目指していただきたいと考えますが、空き定員が七百三十九人分あるということは、保育事業者の計画的な経営にもダメージを与えるものでありますので、多面的な対策を駆使して、利用者と事業者、双方の声をしっかりかなえていただきたいと思いますが、区長、どう考えるか、伺いたいと思います。
それとあわせて、財政調整基金は三百二十三億円あるわけですけれども、世田谷区としては、この基金の使い道について明確にされておらないんですけれども、この点についても区長の見解を伺っておきたいと思っています。

保坂 区長

あべ議員の再質問にお答えをいたします。
国基準で待機児童ゼロということに到達をしたという発表をしたわけでございます。今おっしゃった七十九人増の四百七十四人ということについて、二キロ圏内に入れる保育園があるんだけれども行かれていない方と、これは従前からそのカウントについては採用してきているわけで、今回はいわゆる育児休業について、その入り口のところでお尋ねをして、その部分を待機児童数から引いたことがゼロということになったということだと思います。
そういう意味では、議員おっしゃったように、我々も待機児童ゼロで、もうこれで終わりますと言うつもりはさらさらありません。まさにミスマッチで、空きもかなりある。そして、意外なことにゼロ歳が空いてきている、一歳が立て込んでいるということですから、認証保育所などは非常に、そのゼロ歳のところが空いているというのは、経営にかなり影響があるんですね。なので、ゼロ歳を一歳に転換して、経営上もゼロ歳同様支援をするということで、このミスマッチを早期に是正して、本当に待機児童を、入りたいと思った保育園に入れない人がいなくなる世田谷区を目指して、努力を重ねたいと思います。
もう一つ、財政調整基金についてのお話でございますけれども、今日の状況が来月にどうなっているのか、我々は分からないわけです。一桁がゼロになり、しばらく北九州市もゼロが二十日ぐらいありましたけれども、また再燃をしてくる。また、季節的に秋冬ということは言われています。一方で、薬の効果的な活用とか、あるいは検査手法のさらなる拡大、PCR検査とか、あるいは抗体検査、抗原検査など、発達するかもしれないというところで、まだ八月というふうに、いろいろ財政の目安を申し上げておりますけれども、この基金の使い方、どのようにしていくのか、あるいは世田谷区はもちろん独自のサービスもしていかなければいけないと思っておりますけれども、そこは慎重に見極めて、遅れを取ることのないように判断していきたいと思います。

お答えを区長からいただきましたけれども、保育はゼロを達成したといっても、実質は達成していないという状況がございますので、これからも取組を、手を緩めることなく、しっかり実質的なゼロに向けて取り組んでいただきたいと要望して、質問を終わります。

書籍案内

呆れる議員特権 信じたくないホントの話

議員特権

あべ力也 著
元国会議員秘書が語る国会のセンセイたちの呆れる実態。

豪華海外旅行に世田谷区議会議員がいく

河村たかし応援団

名古屋市長 河村たかしさんの活躍を応援します。

あべ力也のひとり言

goo blog 世田谷区議会議員あべ力也のひとり言

あべ力也official blog

田谷区議会議員あべ力也の official blog by Ameba

マスコミ出演等

日本テレビ「太田総理」「ズームインスーパー」、フジテレビ「スタメン」「スーパーニュース」、テレビ東京「みのもんたの代議士の妻たち大集合」、文化放送「吉田照美のやる気満々」「エコノミスト」「アサヒ芸能エンタメ」「女性セブン」、テレビ朝日「ワイドスクランブル」「ス−パーモーニング」などにあべ力也区議会議員が出演もしくは取り上げられると共に、明治大学でも地方行政の講演。