平成27年6月 第2回定例会 あべ力也一般質問
臨海斎場の利用について伺います。
以前、議会での質問要望の中で、砧公園に火葬場をつくれという趣旨のものがあり、区の回答は、さまざまな規制に加え、何よりも近隣住民の理解と協力が必要とのことでございました。そこで、特に砧公園に接する全町会・自治会にアンケート調査を行いました。その結果、お答えいただいた回答全て砧公園の火葬場建設に反対。賛成はありませんでした。
御回答いただいた反対の理由につきましては枚挙にいとまがないほどでありますけれども、提案される方がお住まいの地域にまず提案すべきではないか、自分が住んでいないところにそのような提案をするのが許せないと怒りをあらわにつづられている方が何人もいらっしゃったことが印象的でありました。
砧公園は環境がよいようでもありますが、環八や東名高速、清掃工場に囲まれており、火葬場建設となればさらなる環境負荷や住民の心理的負担になるばかりか、周辺住宅地の地価下落といった資産価値の毀損にもつながります。私は、周辺住民の代表である区議会議員として、砧公園に火葬場をつくるというほんの一部の議員の提案でありますが、断固反対であることを表明しておきます。
一方で、世田谷区は将来の火葬需要の増大に危機感を持ち、周辺五区で研究を重ね、臨海斎場を整備、運営してきました。であるのに、これからもし自分の住まう地域にとなれば、区内のどの地域住民も望まない火葬場を莫大な税金を使って建設するよりも、既にある臨海斎場の利用促進を図るべきです。
しかし、利用率を見てみると、年々伸びているとはいえ、世田谷区民の利用割合は全体の八%にすぎません。この背景には、臨海斎場が区から遠く行きにくいとの御意見があるようですが、環七からは一本で行けますし、環八エリアからも四十分程度で行けるのが実情です。首都高速環状線の開通でより近くにもなりました。残念なことに不便というイメージが先行し、利用率の向上につながっていないと考えます。
区や区議会がやるべきことは、臨海斎場の利便性や利用料金の安さなどを区民にPRして利用促進を図ることだと思います。区の見解を伺います。また、臨海斎場では将来的な需要増や大規模災害時の特殊な需要等への対応については、関係各区や国、東京都も含めてどのように計画しているのかお答えください。
齋藤 生活文化部長
臨海斎場の利用促進、並びに将来的な需要増や大規模災害時の対応、計画についてでございます。
区といたしましては、火葬場の確保は大変重要な課題と認識しております。しかしながら、区内における新たな火葬場の整備に関しましては、現在のところは、公共施設整備方針への位置づけには至っておりません。また、整備におきましては、関係法令のさまざまな規制に加えまして、何よりも近隣住民の方々の御理解が不可欠であると考えております。
一方で、将来の火葬需要を予測して、組織区五区が共同設置いたしました臨海斎場ですが、ほかの火葬場に比べまして時間帯によってはまだ余裕がございます。何よりも、世田谷区民は組織区外の半額程度の料金で利用ができるというメリットがございますので、まずはホームページ等でPRを行うなど、臨海斎場の利用促進を図ってまいりたいと考えております。
また、臨海斎場では、現在、火葬需要の増加に対応するため、随時、火葬炉の増設、新型炉への入れかえ、遺体保管施設の増設などを行っております。さらに、今年度より将来の需要予測を新たに実施いたしまして、それに基づく施設整備の必要性と施設規模の算定等の検討を開始し、将来の需要増に備えていくということを伺っております。
次に、大規模災害時の対応についてでございますが、既存の火葬場だけで行うことが不可能となった場合は、東京都と調整をし、都内全域及び近隣県の火葬場の協力によりまして、広域火葬を行う計画となっております。また、臨海斎場では、停電時でも火葬が行えるよう設備改善工事を今年度中に実施し、震災時における組織区との連絡体制や勤務体制などの業務継続計画につきましても現在策定中でございます。
以上でございます。