畠山晋一 委員長
本日は、報告事項等の聴取等を行います。
まず、委員会運営に関しましては、引き続き新型コロナウイルス対策を講じてまいりますので、理事者からの報告は簡潔明瞭に、委員からの質疑も要点を絞っていただくなど、会議時間の短縮に向けた御対応をよろしくお願いいたします。また、発言の際は、お手元のワイヤレスマイクの使用をお願いいたします。
それでは、1報告事項の聴取に入ります。
まず、(1)次期基本計画検討の進捗状況について、理事者の説明を願います。
真鍋 政策経営部副参事
次期基本計画検討の進捗状況について御報告をさせていただきます。
まず、1の主旨でございますが、令和六年度を初年度とする次期基本計画の検討における現在の進捗状況について御報告するものでございます。
2の内容、3の今後のスケジュールにつきまして、別紙の資料で御説明をいたします。お手元の資料、右肩のページで三ページを御覧ください。
まず、区民検討会議でございます。公募及び無作為抽出により区民検討会議委員の募集を行いまして、委員を決定いたしました。委員の構成ですが、中段の表のとおり、公募委員五人、無作為抽出委員四十四人の計四十九人といたします。無作為抽出委員については二十五人程度を想定して実施いたしたところでございますけれども、多くの区民からの参加申込みを受けまして、希望者全員を委員に選出してございます。
下段の表でございますが、年代別の構成になります。過去の無作為抽出ワークショップの年代別の参加割合を勘案しまして、若い方を多めに抽出するということで実施いたしましたけれども、過去のケースでは、参加率の低かった若い世代の参加者が今回非常に高かったというのが特徴的でございまして、十代から三十代でそれぞれ十人以上ということになっておりますが、四十代から七十代も想定していた四人程度ということになっております。
続きまして、四ページを御覧ください。上段の表は地域別の委員構成、中段の表でございますが、委員が参加申込時点で希望している参加方法になります。今後、参加方法を再確認した上で、オンライン参加者とオフライン参加者を確定いたしまして、グループ数等を決定してまいります。
続いて、五ページを御覧ください。区民検討会議の予定日時、会場についてでございます。七月二十三日土曜日の第一回区民検討会議の開催を皮切りに、隔週の土曜日に三回行います。会場は教育総合センター二階研究室になります。
各回の概要等につきまして、資料の右側を使って御説明いたします。第一回の検討会議では、区から現況などを説明した後、アイスブレークの意味合いも兼ねまして、区のイメージといったもので意見交換を行いまして、四時、十六時より各班での議論の内容を共有するということを行います。
第二回では、理想とする十年後の区の将来像についてをテーマ、第三回では、将来像の実現に向けた区民参加のあり方についてをテーマとしてワークショップを行いまして、両日とも十六時より各班からの発表を行います。全ての回で共通して十六時より発表と共有の時間を設けておりまして、この時間について傍聴を可能といたします。会場での傍聴に加えて、オンラインの傍聴にも対応してまいります。
続いて、六ページを御覧ください。基本計画審議会についてですが、委員構成と有識者の委員構成等について決定いたしましたので御報告します。ページ下段ですけれども、会議運営方法につきまして、委員の参加方法については、オンライン、オフライン双方による参加を可能とします。また、傍聴につきましても、リアルとオンライン双方での傍聴可能とするとともに、当日の録画映像及び議事録を、後日、区のホームページで公開いたします。
七ページを御覧ください。有識者の委員構成になります。分野、委員のお名前、所属等を表で記載してございます。今後、九月からの審議会の開始に向けて具体的な日程調整を進めまして、準備を進めてまいります。
今後の予定でございますが、八ページを御覧ください。令和四年度の検討スケジュール案になります。区民検討会議のスケジュールは先ほど御説明したとおりです。審議会につきましては、九月に諮問を行いまして、おおむね月一回ペースで実施しまして、八回開催いたします。この間、区議会には、審議会の議論の状況等について適宜御報告させていただきまして、十分な議論をいただきながら検討を進め、令和五年三月に審議会から答申を受ける予定となっております。
九ページですが、令和五年度のスケジュール案でございます。答申を尊重しながら、区としての考えをまとめまして、区民参加の取組とともに議会との議論を重ねまして、五月に骨子案、九月に素案、令和六年二月に案という形で具体化を図ってまいります。
御説明は以上でございます。
畠山晋一 委員長
ただいまの説明に対し御質疑がありましたら、どうぞ。
あべ力也 委員
まず、先ほどつるみ委員が指摘した無作為抽出の件ですけれども、これは副参事の回答を聞いていると、ケース・バイ・ケースと言われていましたけれども、ケース・バイ・ケースって、言い直すと御都合主義なんですよね。
そこで、副区長に聞きたいんですけれども、いろんな区民意見を聴取する場合に、無作為抽出をやりましたということなんだけれども、世田谷区で無作為抽出をやる場合の様々の条件をつけた場合には、その無作為抽出をどういう条件で無作為抽出をしたのかということを明確にやっぱり公表すべきだと僕は思うの。今もこの文章の中には、ただ無作為抽出と書いてあって、これについて質問を受けて、初めてこういう方法でやりましたというのはちょっと僕は無責任だと思うし、行政として情報公開の在り方としてはちょっと不適切だと思います。ですから、今後、無作為抽出をするということであれば、区のほうで、まさに御都合主義でこういうことでやったんですよというんであれば、それをちゃんと公表していただきたいということなんですけれども、副区長どうですか。
中村 副区長
今回、結局、無作為抽出で手を挙げていただいた結果の数を年代別にお示ししましたけれども、今委員お話しあったように、こういう経過でこうなりましたというのはきちんと整理してお示しすべきだとものだと思っています。前回に無作為抽出の抽出の年代別をたしか御説明しましたけれども、そこがぶつ切りになっていたもので、今回は結果だけになったというところで、ちょっと反省点で、これはトータルでお示しするように、先ほど口頭になりましたけれども御説明したのを、文面でも公表できるようにしたいと思います。
その結果、また区民の構成というのは、客観的事実でありますので、年齢構成とか世帯構成とか、そういうのは先ほど御説明した区の現状という中で、改めて御説明した上で議論をスタートしてもらいたいと思います。
あべ力也 委員
私が副区長に求めているのは、今回の次期基本計画の検討においての無作為抽出の話ではなくて、世田谷区が行う様々な調査なり意見聴取に当たっての無作為抽出といった場合のその条件を、やっぱり明確に区民に示していくということは大事なことなので、今後そういうふうにしていただきたいというふうに、これ要望ですので、ぜひお約束していただきたいと思います。
中村 副区長
今のお話は受け止めさせていただきます。
あべ力也 委員
それと、先ほど上島委員の質問で、ちょっと私も消化し切れないところがあったので、併せてお聞きいたしますけれども、いわゆるステークホルダーといった場合の私の認識は、ステークホルダーというのは、世田谷区なり、世田谷区の行政、様々関わる方がステークホルダーということだと思うんです。ですから、世田谷区民もステークホルダーだし、世田谷区の行政で働く方もステークホルダーですし、もしくは世田谷区の様々な発注事業に関わる出入り業者さんもステークホルダーですし、様々な区に関わる方がステークホルダーだということなんですね。審議会の委員になられている方がステークホルダーというのはちょっと違うんじゃないかなと思うんですけれども、そうしたステークホルダー、どういう方を対象にステークホルダーという認識なのかという問いに関しては、答えていないんじゃないかなと僕は思うんです。
ですから、一般的にステークホルダーというのは、その組織なり何なりに関係する全ての方がステークホルダー、利害関係のある方をステークホルダーと言うんだから、例えば区民から無作為抽出で意見を聞くんであれば、今度は職員の中からそういう話を聞いてもいいわけですし、もしくは世田谷区民ではないんだけれども、世田谷区の行政に関わっている出入り事業者さんとか、そういう方に聞くということも可能ですし、その辺の整理をしてステークホルダーと言ってもらわないと、何を対象にステークホルダーと言われているのか、よく分からないということでの質問だったんじゃないかなと僕は思うんだけれども、それに対しての御回答がされてないということなので、改めてちょっと伺いますけれども、その辺の認識を教えていただきたいと思います。
真鍋 政策経営部副参事
ステークホルダーですけれども、確かに非常に広いことを指しておるというふうに認識しております。委員御指摘のとおり、区に関わる方全てステークホルダーですし、関係区民、関係市民という言葉も含めていろいろ議論があり、例えばふるさと納税をしてくださる方もそうですし、それこそもうファンであっても、関係市民になるんじゃないかということでいただいています。
一応今ちょっと狭義のということを申し上げますと、ステークホルダーは、今、少し団体中心に考えております。このステークホルダーの意見聴取というのは。活動されている団体さんが先ほど審議会と申したのは、審議会の委員さんに聞くというよりは、各分野の審議会に学識もいらっしゃるでしょうけれども、当事者であったり、団体、活動されている団体ですとか、そういったところが附属機関の中に入っていらっしゃるので、そういった場所は活用してまいりたいというふうに言った次第でございます。なので、このステークホルダー意見聴取というのは、比較的団体で活動されている方ですとかを意識しています。
一般の区民につきましては、もっと別の活動を考えておりまして、例えば令和五年度のスケジュールにお示ししていますけれども、デジタル技術を活用して広範な区民参加というものを取り組んでいこうというふうには考えておりまして、この形でできないかなと。ただ、デジタル技術を活用したものがうまくいくかというのを我々も検証しなければいけないと思っておりまして、今、令和四年度のスケジュールにございますが、区民ワークショップを三回、区民検討会議を行った後、ちょっと試行的にデジタル技術を使って継続的な意見交換というものをしていこうと思っています。そこの実施、評価検証した上で、一般区民にも開放できたらなというふうには考えているところでございます。
あべ力也 委員
副参事のほうで私の質問を理解されていないようなので、もう一度言いますけれども、ステークホルダーと言った場合に、一般的に区民は行政に関わっているんだし、住民だから、当然それはステークホルダーの一つですよね。そうじゃなくて、例えば世田谷区の職員の方でも、世田谷区民じゃなくても、世田谷区の行政に仕事として関わっている人もいれば、もしくは出入り業者で、世田谷区民じゃなくても世田谷区の事業に関わっている方もいるわけじゃないですか。そういう人の意見集約をどうするんですかと、そのことにステークホルダーというのを考えていらっしゃるんですかって僕は聞いているんです。
真鍋 政策経営部副参事
ちょっと分けて御説明しますと、まず職員ということであれば、今、世田谷版データアカデミーということで、若手職員を募って、この基本計画の中で意見を提出してもらうということで考えているところです。
具体例でいただきました出入り業者とかになってくると、どういう形でということはございますけれども、ちょっとこれからステークホルダーの意見聴取につきましては詳細を固めてまいりますので、そちらの中で検討を進めてまいりたいというふうに考えております。
あべ力也 委員
これは基本計画ですよね。そうしたら、今、出入り業者の話はちょっとどうなのかと曖昧な御返事をされましたけれども、世田谷区というのは、例えば事業者さんとの最低賃金を取り決めたりとか、そういうこともしていますよね。そうしたら、世田谷区の事業を請け負って賃金をもらっている方とか、直接世田谷区民じゃなくても、それは関係するステークホルダーじゃないですか。そういう人の御意見を聞くことも必要なんじゃないですかということで、今このステークホルダーって、どういう範囲でどういうふうに意見聴取をしていくんですかと、ほかの議員からも質問されているわけじゃないですか。何かどうも質問と答えがかみ合わない。その辺、もう少しよく検討していただいて、文章でステークホルダーとか、経済学で習うみたいな言葉を並べるのはいいけれども、中身が空洞化しているんじゃ、ちゃんとした計画ができるのかちょっと心配だなと思うんですけれども、副区長、その辺どうですか。
中村 副区長
ステークホルダー、非常に幅広いんですけれども、委員に今いただいた出入り事業者、出入り業者という言い方でいただきましたけれども、確かに区の中のインフラを整備している方とか、労働報酬下限額で網をかけている方々、たくさんそういう方がいて区内の経済も回ったり、インフラができたりもしていて、広い意味では関係者というふうには認識をしています。
このステークホルダーの範囲とか、区民意見聴取の一連の流れは、改めて整理はさせていただきます。職員のほうも、別チャンネルですけれども、きちんと職員の話も取り入れて幅広くやっていっていきます。
あべ力也 委員
基本計画をつくる上での意見聴取をどういう方から聴取していくかということは極めて僕は重要なことだと思いますし、ステークホルダーという話も、中身がすごく曖昧で、ステークホルダーと言われているだけではよく分からないので、その中身を、どういう方をステークホルダーとして区は認識をして意見聴取するんだということも明確にしていただきたい。これは要望しておきたいと思います。
畠山晋一 委員長
次に、(2)世田谷区将来人口推計について、理事者の説明を願います。
箕田 政策研究・調査課長
私から、世田谷区将来人口推計について御説明をさせていただきます。
ただいま御報告のありました次期基本計画の検討の素材として、区民検討会議、それから審議会のほうにお示しする材料として推計したものでございます。
資料は右肩の通し番号の一ページの2のところを説明させていただきますが、今後の取扱いでございます。ただいまお話がありましたように、次期基本計画の検討については、四年度、五年度という二年間にまたがった作業になります。そのため今回の推計、それから、足元でコロナの状況がまだいろいろ大きく動いているところもありますので、最終的な計画の素案、案をまとめていく段階に向けて、改めて来年度、将来人口推計を行って、最新の情報を基本計画の中に盛り込んでいくというような取扱いをしてまいりたいと考えております。
今後のスケジュールに関しては記載のとおり、おおむね一週間程度お時間をいただきますが、区のホームページで公表するという予定になっております。
おめくりいただきまして、資料の四ページまでお進みください。まず、本日の御報告といたしましては、最初に現在の世田谷区の人口の現状分析をした後、将来人口の推計の結果について御報告をさせていただきます。
まず、人口の現状分析でございますが、図表1に、これまでの総人口の推移を各年一月一日現在の住民基本台帳の登録者数ということでグラフにしたものがございます。九五年以降ずっと一貫して人口が増えてきたところでございますが、二一年度から二二年度にかけまして、初めて減少という傾向が出てきたということでございます。
これは恐らくコロナ禍によるもので、これまでの減少のスピードが、コロナの一年目ですけれども、二〇から二一年にかけて減速し、それから二一年から二二年にかけては減少に転じたというような影響が出ているというふうに分析しております。
次のページでございますが、五ページ目でございます。今の動きを月別に見たものが(2)の図表3でございます。世田谷区の人口のこれまでの推移を見てみますとこのような形で増えてきておりまして、三、四、五月には階段のステップを踏み上がるような形でぐぐぐっと上がり、それから上昇基調で、また次の三月、四月、五月でぐぐっと上がるということを繰り返して、人口がどんどん増えてきたということでございます。
コロナの影響によりまして、二〇年の四月、緊急事態宣言の一回目が出たところだと思いますけれども、ここまでは比較的前と同じような勢いで来ているんですけれども、その後の上り調子が持続できなくて、下り坂になっております。
それから、二一年の四月ですが、三月、四月、五月の上り調子も弱くなって、さらに下り坂になっている。今回ですけれども、四月の伸びに関しては若干取り戻しておりますが、五月に向けてはまた弱いということなので、今後これから下り坂が続くのか、もしくは横ばいになるのか、また上り調子を取り戻していくのかというところは、月別の動きをきちっと追っかけていかなければいけないのかなというふうに思って見ているところです。
次の六ページ目です。月別の内訳の要素分析ということで見させていただいています。日本人の人口と外国人の人口です。二二年の四月に関してはグラフが上向きで人口増という増傾向が戻ってきていることでございますが、中身を見ますと外国人の人口が主なものになっておりまして、日本人の人口の増というのは、まだ成分的にほとんどないということです。こういったことなので、転入超過の多くが外国人でありまして、今後もこの辺の動きがどうなってくるのかというのは見ておく必要があるとは思っています。
都心区のほうが今回コロナの影響を非常に強く受けたということで、港区の状況などをちょっと見てみますと、初めに外国人が戻り始めて、それを追いかけるように日本人の人口が戻っているような傾向も若干ですが見えているところもあるようですので、世田谷も同じような道筋を歩けるのかどうなのかというところを、今後注視していく必要があるかなというふうに思っております。
その次ですけれども、人口動態の推移ということで、これは社会増減、自然増減の要素別に見たものでございます。図表5でございますけれども、世田谷区が人口減に転じたということの要因としては、転出が増加、折れ線グラフの三角がぐっと上がってきている一方で、転入、グラフのポチの丸のところですけれども、このグラフがどんと落ちていますので、転出の増加と転入の減少というダブルパンチによって人口の減少ということに現れたと分析をしております。
次の七ページ目になりますが、図表6は、自然増減ということで出生と死亡の分析になっております。丸が出生、三角が死亡ですけれども、死亡は増加、それから出生は微減ということです。右の軸ですけれども、既に二〇一九年から、ゼロのとこから下に伸びていまして、世田谷区は自然減が既に二〇一九年から始まっていましたけれども、二一年にかけてはマイナス五百二十ということで、桁が違うという自然減の状況になっております。
続きまして、九ページ目です。世田谷区の特徴ということで取り上げていますけれども、図表8、第一子出産時の母の平均年齢の推移ということで、全国、東京都、特別区、世田谷区を比較したものでございます。比較した中では世田谷区が一番高いということでございまして、第一子出産時の母の平均年齢に関しては、世田谷区三十三・〇歳となってございます。全国的には三十・七歳ということなので、かなり上のほうになっているということです。
これまで世田谷のこの数字はずっと上り基調で来ていたんですけれども、おおむね今のところ三十三から三十二の後半ぐらいのところで推移しているというところですので、ほぼ上げ止まったのかなというふうには分析をしておるところでございます。
次に、移動でございます。転入転出の状況なんですけれども、一一ページを御覧いただければと思います。図表 11 ですが、世田谷区への転入超過数を都道府県別に見たところでございます。グラフは四本ありまして、三十年から令和三年までを並べてございますけれども、例えば埼玉県が、三十年度あたりはグラフの中央の軸から右のほうに出ていましたので、世田谷に人が来ていただいていたという状況だったんですけれども、今回、最新の令和三年の状況を見ますと、グラフのゼロの軸の左のほうに移りましたので、世田谷区から人が出ていってしまっているというような、転入超過から転出超過に変わってしまったというような状況が見てとれます。
千葉県に関しても昨年からその傾向が出ていたんですけれども、かなりぐっと伸びてきていますので、転出超過が増えているということになっております。神奈川県に関しては御覧のとおり、もう一目瞭然なんですけれども、相当な量が世田谷区から出ていってしまっているということでございます。あとは、ちっちゃいですけれども、長野県ですとか沖縄県のほうにも転出超過が起きているということでございます。
首都圏以外の状況を見ますと、愛知県とか大阪、兵庫あたりも、グラフが段々濃いほうに行くに従って短くなっていますので、こちらのほうも愛知県であるとか大阪府、兵庫県からの世田谷区への流入が減少しているというふうに見てとれますので、これもコロナによる影響の一つかなと分析をしているところでございます。
ちょっと飛びまして、一四ページにお進みいただければと思います。転入者と転出者を年齢五歳階級別で並べてみたのが下のグラフでございます。それぞれのグラフは三本ございまして、二〇一八年から一九年の平均、それから二〇二〇年、二〇二一年ということで、それぞれの年代区分ごとに三本グラフが立っております。
例えば転入者数を見ますと、最も多いところが、やっぱり二十五歳から二十九歳の前後がかなり転入の中心をなしているボリュームゾーンだというふうに見れますけれども、こちらもグラフの右に進むに従って低くなっているということで、転入者がどんどん年を追うごとにボリュームゾーンでも減っているということでございます。
真ん中のグラフは転出者で同じような見方をさせていただきますが、二十五歳から二十九歳の一番高いところがグラフが伸びておりますので、転出者がだんだんと増えていっていると。その前後に関してもほぼ同じような動き。
ここで特筆すべきはゼロ~四歳です。ゼロ~四歳は御自身で引っ越しすることができませんので、保護者の移動に連れられて引っ越すゼロ~四歳も増えているというような状況が見てとれます。それを転入超過数で見てみますと、ゼロ~四歳に関しては完全に下のほうに伸びていっちゃっているという状況なので、転出超過が見てとれると。それからボリュームゾーン、二十から二十四歳もかなり転入超過が減っていますので、こちらもダメージが出てくるのではないかというふうに思っております。
先ほどお示しした第一子の出産年齢のところを思い出していただきますと、三十三歳ということでございましたので、男女別では見ていませんけれども、母となる年齢層の転出超過がどんどん増えているということで、この傾向が継続しますと、将来の世田谷区の出生数を押し下げる要因で作用する可能性がありますので、ここのところはしっかり見ていく必要があると思っています。
また、ゼロから四歳の転入超過の減ですけれども、これは将来的に育っていって子どもを産み育てる世代になっていくお子さんたちですので、こちらもマイナスの作用になりますけれども、人口減の促進要因になるのはないかということで、注目が必要かなと思っているところでございます。
一五ページに行きますと、外国人人口です。外国人に関しては、コロナの影響もあって、入国制限とかが大きくあった関係もあってがくんと落ちているところでございますので、これが緩和されていく動きがありますので、今後どういうふうに戻っていくのかと。既に月別で見ると戻りの傾向が見てとれますから、この幅がどれぐらい大きくなるのか、どれぐらい強く戻りの傾向が出てくるのかというところを、引き続き見ていく必要があると思いますが、いずれにしても、国の入国制限であったり、今後、長期的に見ると移民政策であるとか、そういった国の政策に影響を受けるところがありますので、そういった国の動きも併せて、外国人の人口の推移に関しては見ていく必要があるかなというふうに思っているところでございます。
飛びまして、一七ページでございます。五地域の人口の動きを見ております。各地域とも一貫して令和三年まで増加傾向続いていましたけれども、令和四年に関しては軒並み減少ということでございます。世田谷、それから砧がマイナスの〇・六%程度、一番下の烏山は〇・七%程度の減となっておりますので、そちらが比較的強めに減少の度合いが出ているかなというふうに思っているところでございます。
以上が人口動態の御説明ということでございます。
ただいまお話ししたような状況を踏まえまして、一八ページに進みますが、将来人口推計の結果の御説明となります。
推計方法につきましては記載のとおりでございますが、推計期間は二十五年間、基準人口に関しては、令和四年一月一日の住民基本台帳人口、推計方法としましては、コーホート要因法を用いるということにしてございます。
変動要因に関しては、将来人口推計の基本的な要素でございますが、以上、表の中の①から③までの三つのパラメーターをどのような形で仮定するかということで、将来の人口を推計することになっております。まず、出生ですが、今回はこれまでの合計特殊出生率から改めまして、子ども女性比を採用させていただいております。死亡に関しては生残率ということで、厚労省が発表する生命表から世田谷区のいわゆる平均余命的なものを出して、これで計算するということになっています。移動に関しては、一年間の人口の移動による人口増減を率で表した純移動率をパラメーターとしてとらえております。
見通しといたしましては、出生率は平成三十一年から令和三年の三年間の平均値ということで、そのままの仮定値で推移する。生残率も同様でございまして、同じ値で推移する。移動率に関しても、やはり三年間の平均を取りまして、その水準で推移するという過程を取っています。これが、いわゆる将来人口推計の仮定シナリオということになります。
(5)ですけれども、外国人の推計です。これは参考値とさせていただいておりますが、各年別人口で変化率法というちょっと簡便な方法を使って、一応参考値という形で推計させていただいております。したがいまして、将来人口推計のほうには、外国人、日本人を含んだ形の数字をお示しし、参考として外国人推計を別に行ったものを内数としてお示しするというような二段階の方法でお示ししようとしております。
それから、今回は地域別の推計を実施しております。これは全区の推計方法と同様、(4)の方法で地域別に、出生、移動、死亡の仮定値を設定していくんですけれども、死亡に関しては地域別ということをやらずに、あまり大きな差はないもんですから、全区域の生残率を一律適用する形で推計を行っております。
最後、調整なんですけれども、全区の推計をやって求めた数字に、各地域に個別にやった推計の数字を合わせるということで、補正を加えて調整をしているところでございます。
一九ページに行きまして、変動要因の設定です。先ほどざっと説明しましたとおり、出生に関しては、これまでの推計と違って子ども女性比を採用するということで、合計特殊出生率を用いる推計、それから子ども女性比を用いる推計によりましても、人口学のものの本によりますと、指標による推計精度の差はごく僅かということで、アカデミックな判断も出ておりますので、今回は変えさせていただきました。
死亡に関しては先ほど御説明したとおり、移動に関しても先ほど説明したとおりということで、シナリオの設定をしてございます。
飛びまして、二一ページにお進みください。将来人口推計結果でございます。まず、総人口の推計です。先ほどお話ししましたように、これは外国人を含んだ総人口の推計ということで、令和六年まではコロナの影響で人口減となりますけれども、その後人口増に転じまして、微増傾向が一定期間は継続するということです。区の人口は令和二十一年、二〇三九年でございますが、九十二万余りをピークにその後減少に転じていくという推計結果になってございます。
二二ページにお進みください。(2)の年齢三階層の人口でございます。生産年齢人口の十五歳から六十四歳につきましては三角のグラフになっておりますけれども、令和三年をピークに、今後減少傾向が続いていくということになります。丸印の六十五歳以上ですけれども、一貫して増加するということです。四角印のゼロから十四歳に関しては低減していくという推計結果になってございます。
飛びまして、二五ページにお進みください。③の前期高齢者数、それから後期高齢者数の動きでございます。グラフが交差するような形で進んでおりますけれども、これは現在の世代に比べて、団塊世代の方々がちょうど今、前期高齢者から後期高齢者に該当するような時期にございます。令和五年から七年にかけましては、団塊世代の七十三歳から七十四歳の方が前期高齢者から後期高齢者に移っていくということになりますので、前期高齢者、下のほうのグレーの丸のグラフですけれども、これが下のほうに減りまして、それで後期高齢者は逆に増加していくという傾向になります。
先に行きますと、令和十八年、二〇三六年あたりから、今度は団塊ジュニアの世代が、前期高齢者に差しかかってまいりますので、前期高齢者が一旦増加した後、今度はこの皆さんが後期高齢者に移行するにつれて、前期高齢者が減少し、後期高齢者が上がっていくような変化をするという推計になっております。
続きまして、二七ページでございます。ここからは資料編ということでございますが、一般的に将来人口推計に関しては、特に二十三区のような人口の流動の多いところに関しては、基本的な推計を行った後、幾つかのパターンで高位推計、低位推計、中位推計を行って、三つぐらいのグラフを示して将来推計を行うのが一般的なやり方とされていますので、今回の推計に関しても三つのシナリオを立ててございます。
今回基本推計として、先ほど御説明した推計結果につきましては、表の中の中位推計でございます。網かけのところがシナリオの説明でございまして、子ども女性比が過去三年間平均で推移して、移動は三年平均で回復するということでございますので、コロナの影響は一定程度受けますけれども、その後、弱含みはありまして、コロナ以前に完全に戻るということではありませんけれども、一定程度の回復は行うというシナリオで中位推計を行っております。
表の上のほうですけれども、低位推計となっては、将来にわたってコロナの影響がずっと続くと。出生、移動ともコロナ前の状況に回復しないという、ある程度極端なシナリオを採用して低位推計ということをしてまいります。それから、高位推計につきましては、一番下にありますけれども、当面コロナの影響が続くものの、子ども女性比、移動率ともに、中の二年を含む過去五年平均、かなり強い時期の上がり調子のとろですけれども、これを含む要素まで戻ると。ただ、完全には戻らないというシナリオには一応してございますけれども、このような形で高位、中位、低位ということで、シナリオの変化を持たせて推計を行っております。
二八ページのグラフにその差を出しております。三角が高位推計、黒丸が基本推計の中位推計、四角が低位推計となってございます。中位推計を真ん中といたしまして、高位推計は一定程度どんどん増えていって、最終的には九十七万六千程度まで人口が増えていくというシナリオです。コロナの状況がこのまま続いて、なかなか脱却ができないということが長期間継続するような状況になりますと、最悪のシナリオとして、最終的には八十三万五千人ぐらいまで人口が減少してしまうだろうというようなことを推計結果としてお示ししてございます。
続きまして、飛びまして、三一ページへお進みください。地域別人口でございます。
今回、これは基本計画の基礎資料として地域別推計を追加で行ったものでございます。
それぞれ丸が世田谷、四角の塗り潰したものが玉川、それから、四角の抜けた枠のものが北沢、三角が砧、四角の塗り潰したものが烏山となっておりますが、それぞれこのような変化をいたしまして、世田谷と北沢に関しては微増傾向、玉川、砧、烏山に関しては微減傾向ということで、地域ごとの多少の将来人口の推移変化が見えているということになっております。
長くなりましたが、私からの説明は以上でございます。
畠山晋一 委員長
ただいまの説明に対し御質疑がありましたら、どうぞ。
あべ力也 委員
将来推計について詳しくまとめてありまして、ありがとうございます。それで、一点、基本計画等の資料としても使うということですから、私としては、人口の動態とかそういうことにプラスして、いわゆる世帯の動向というんですか、例えば世帯で考えた場合には、ひとり暮らしというカテゴリーも考えられますし、あとは例えば子育てをしている年代の世帯とか、様々人口だけでは見えてこない世帯の区民の皆さんの行政に対する関わり方であったり、行政サービスの受け方であったりとかというのが、随分世帯の内容によって変わってくるということなので、世帯動向もぜひ付け加えていただけたらありがたいなと思うんですけれども、この点については、課長のほうではどういう御意見でしょうか。
箕田 政策研究・調査課長
世帯の動向についてということで御指摘でございます。
確かに世帯の動きによって行政サービスを適切にアレンジしていくための判断材料としては非常に重要なものだというふうに思っております。今回の将来人口推計は、基本的に住民基本台帳のデータを推計データとしているところもありまして、個別の世帯類型がどういうふうに変化するというところまでは今回の推計の中には入っておりません。
ただ、御指摘のとおり、重要性というのは私も共有しておりますので、国勢調査では、世帯類型をそれぞれ分析しておりまして、数的には、世田谷の場合には結構単独世帯がやっぱり多いというところがあるんですけれども、よくよく見てみると、東京都や特別区と比べると単独世帯の増加率はちょっと低めということなので激増しているわけではないとか、あとは単独世帯は男性よりも女性のほうが増えているとかというところが、今回、令和二年の国勢調査の結果で見えてきております。五年ごとの国勢調査の結果を拾いながら、そういったトレンドを読んで推計することは可能だと思いますので、これは研究所のお仕事になるのかもしれないですけれども、そういった世帯の動向の分析ということも併せてしていって、審議会なりの場でお示しできるような形で進めていきたいというふうに思っております。
あべ力也 委員
ちょっと基礎的なことを聞きたいんですけれども、この将来人口推計は、調整をするに当たっての根拠というのは、例えば世田谷区の条例で定められているのか、それとも総務省からの通達でこういうのを調整しろって言われているのか、それはどういうあれなんですか。
箕田 政策研究・調査課長
自治体が行う将来人口推計に関しては特段根拠はございません。我々が必要と思ってこれまでも計画の策定に合わせてやってきましたし、これからも必要に合わせてやっていくというものだと思っております。