あべ力也 委員
それでは、質問しますけれども、先日、文教所管で質問した内容について、区長に改めて伺いたいと思うんですが、その内容は、世田谷区在住の高校生から陳情を受けました。その内容は、
その高校生は母子家庭で、区営住宅に住んでいらっしゃって、お母さんが一生懸命働いているんだけれども、自分の高校ではアルバイトは禁止をされている。そういう状況の中で、母親にお小遣いをせびるというのもなかなか忍びないと。そういう中で勉強しようと思ったときに、世田谷区立の図書館は七時に終わってしまうと。そういう同じような高校生というのはたくさんいるんだけれども、では、どこで勉強していると思いますかと私は聞かれました。どこですかと聞いたら、ファーストフードですと。ただ、ファーストフードにただで入るわけにはいかないので、毎日それなりのお金がかかってしまって経済的に大変なんですという話で、では、これはやっぱり世田谷区として何とかする切実な問題だなと思いまして、文教所管でお尋ねをしました。
それで、教育長に答弁を求めたところ、速記のほうから起こしていただきましたので、今読ませていただきますが、
私も休みの日にはファーストフード店で本を読んでいますので、同じかなと思いますが、経済的な格差がありますので、若者はどこでも勉強してほしいなと思っておりますので、余りお金、コーヒー一杯百円幾らで頑張れよみたいに言ってもらうとありがたいかなと思うけれども、それは百円ではちょっとあれですけれども、そういうことも踏まえて、弾力的に勉強の場は図書館だけでなく勉強してほしいなと思います。
これは百円出してファーストフードで勉強しろ、こう言っているんですね。私はやはり切実な思いで誰に相談したらいいかなと思ったら、世田谷区の場合には区議会というのがあって、区議会議員さんに言えば何とか役所のほうに伝えてくれるかなと思って、私のほうに相談したんですという話でした。では、委員会もあるので、その場で教育委員会のほうとか聞いてみますという回答をしておりましたけれども、返ってきた回答がこれなんですね。
私は、高校生の立場からすれば望みを断たれたというか、ささやか望みを断たれたというふうに思ったんじゃないかなと思うんですね。この中継もビデオオンデマンドで見られるからという話をしましたら、見ていますということでした。その感想はまだ伺っておりませんけれども、いずれにしても、この回答はちょっと私はいただけないなと思うんです。
区長は、生きづらさを抱える若者たちに対する施策とかいろんな提言をされておりますけれども、今のこの教育長の答弁に関してどう思われるのか、また、その高校生の切実な願いに対してどういうふうに応えるつもりなのか、世田谷区としてお答えをいただきたいと思います。
保坂 区長
昨年試行的に、ことしの二月まで続けた烏山駅前の中高生応援スペースがありました。こちらのほうで中学生、高校生は千人登録数がありまして、相当数の子どもたちが来ていたわけですが、私は何度か行きましたけれども、一番よく見たのは、委員おっしゃる勉強している姿だったんですね。その高校生が寄ってきて、私たちはお金を使わないで勉強できるのはここしかないのよということを訴えていました。
したがって、教育長は百円のファーストフードについていろいろ触れていますけれども、答弁の中で、開館時間も踏まえて第二次図書館ビジョンのほうで検討していくので、早く実現していきたいというところをやっぱりしっかり実現することと、これは図書館に限らず、貧困対策あるいは格差対策で勉強する場を保障するということは、今後ぜひ取り組んでいかなければいけない問題だというふうに感じました。
あべ力也 委員
区民も、大人ばかりじゃなくて、高校生もいれば子どももいらっしゃるわけで、そういう若い世代の声を、まさに区長は聞こうというような姿勢でいろんなことを言っていられるのかなと思っていますので、ぜひそういう声も一つ一つ拾っていただいて、本当に生きづらさを感じない世田谷区ということを目指していただきたいと要望しておきます。